<株式トピックス>=主力銘柄に過敏な売り反応の動きも
きょう日経平均株価が500円を超える大幅下落となるなかで、目立ったのが主力株の過敏ともいえる極端な下げっぷりだった。2日に16年3月期連結業績予想と配当予想を下方修正したIHI<7013.T>の終値は、前日比50円安(下落率20.24%)の197円まで売り込まれた。16年3月期の連結最終損益について、従来予想の180億円の黒字から300億円の赤字(前期は90億8200万円の黒字)へ大幅な下方修正となった。
大幅な減額となったのは、原油安による海外向けガスプロセス案件の受注期ずれや、一部工事の進ちょくの遅れなどの影響で、資源・エネルギー・環境事業が計画を下回ったためだ。さらに、前年度に発生したトルコのイズミット湾横断橋建設工事の足場(キャットウォーク)落下事故などに伴う工事遅延により請求される可能性のある契約納期遅延費用を特別損失として計上する。この業績修正を受け、3円を予定していた期末配当は無配とし年間ベースでは3円配当(前期比3円減)となる。
また、カシオ計算機<6952.T>も終値で前日比414円安(16.77%)の2054円と急落した。同社は2日、16年3月期第3四半期累計(4~12月)の連結決算を発表。売上高は前年同期比6.8%増の2618億1700万円に、営業利益は同28.6%増の334億7200万円となった。
ただ、シティーグループ証券では、第3四半期(10~12月)のみの営業利益が市場コンセンサス下回ったことなどを理由に、「減速は新たな悪材料になる」と指摘。自社株買いを発表したものの、1株価値増大の評価以上に好材料出尽くしの印象が醸成されるとの見方で、株式市場は成長鈍化を新たに織り込み、株価下落圧力は強まると予想している。 投資判断を「2」から「3」に、目標株価を2400円から2100円にそてぞれ引き下げた。(冨田康夫)
出所:株式経済新聞(株式会社みんかぶ)
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