東証プライム市場の騰落銘柄数は、値上がり銘柄が1100に迫り、全体の6割超を占めた。セクター別では、鉄鋼、空運、情報通信、サービス、電気機器など29業種が上昇。一方、石油石炭、金属製品、卸売、輸送用機器の4業種が下落した。指数インパクトの大きいところでは、アドバンテスのほか、東エレク<8035>、ソフトバンクG<9984>が堅調だった半面、TDK<6762>、日東電工<6988>、三越伊勢丹<3099>、三井物<8031>、ホンダ<7267>が小安かった。
23日の米国市場は、トランプ大統領が欧州連合(EU)に対する大幅関税引き上げを示唆し、アップルの海外生産に対する関税引き上げにも言及したことが嫌気され、主要株価指数は下落した。ただ、トランプ氏が日本時間の朝方に、「EUに対する50%の関税措置を7月9日まで発動を延期する」と表明したことで、投資マインドが改善した。また、時間外取引での米株先物が強含みで推移していることも安心感につながった。28日に発表が予定されているエヌビディアの決算期待も高まりやすく、調整が続いている国内の半導体関連株には買い戻しの動きが入りやすかったとみられる。
米国とEUの交渉延期が好感された形だが、出来高は14億株程度と薄商いであり、その中をインデックスに絡んだ商いが押し上げる形だった。週明けの米国市場がメモリアルデーの祝日で休場になるため、資金流入が限られていたことも、手掛けやすかったと考えられる。もっとも、日経平均は75日線と200日線でのレンジ内での推移である。日本と米国の通商協議もこれからのため、米国の関税政策交渉に関する報道には引き続き警戒が必要だ。なお、今後は3月期決算企業の期末配当金の支払いが本格化する。6月末までの約1カ月間で10兆円を超える配当金の支払いが想定されるため、配当の再投資への思惑が相場を下支えすることになりそうだ。
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