東証プライムの騰落銘柄は値下がり銘柄が1200に迫り、全体の6割超を占めた。セクターでは石油石炭、保険、ゴム製品、その他金融など6業種が上昇。一方、鉱業、医薬品、精密機器、サービスなど26業種が下落し、機械は変わらず。指数インパクトの大きいところでは、ファーストリテ<9983>、TDK<6762>、太陽誘電<6976>、東エレク<8035>、京セラ<6971>がしっかりだった半面、アステラス薬<4503>、テルモ<4543>、ソニーG<6758>、リクルートHD<6098>、エムスリー<2413>が軟調だった。
注目された5月の米ISM製造業景況指数は、56.1と市場予想(54.5)を上回り、4月(55.4)から予想外に加速したため、米国のインフレへの警戒感や大幅な金融引き締めが続くことへの警戒感から主要3株価指数はそろって下落。東京市場も主力株中心に値を消す銘柄が目立っていた。一方、中国は国有の政策銀行に対し、インフラ計画向けに8000億元(約15兆5700億円)の与信枠を設けるよう指示したと海外メディアが報じたことから、中国景気の減速懸念が和らいだため、株価指数先物への買い戻しなどが入り、日経平均は下げ幅を縮めた。
米国のインフレ高進への不安感が拭えないなか、落ち着いていた原油市況が再び上昇傾向となっており、資源高によるさらなるインフレへの警戒が拭えない。ただ、会員数の減少に伴う米ネットフリックスショックが起きた4月下旬の水準、米小売企業の業績懸念から急落した5月中旬の水準を上回って推移するなど、日本市場は底堅いとみている向きもいる。また、景気後退や金融引き締め継続など当面のリスクは株価に相当程度織り込まれたとの見方もある。方向感を見いだせない状況が続いているものの、押し目買い意欲は高まってきている。
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