4月30日の米国株式市場は反落。ダウ平均は570.17ドル安(-1.49%)の37815.92ドル、ナスダックは325.26ポイント安(-2.04%)の15657.82、S&P500は80.48ポイント安(-1.57%)の5035.69で取引を終了した。1-3月期雇用コスト指数が予想上回る伸びとなったため、利下げ期待の後退で売られ寄り付き後、下落。賃金インフレが根強く高インフレが想定以上に長期化するとの懸念に長期金利の上昇が嫌気され相場は下落した。その後に発表された4月シカゴ購買部協会景気指数や消費者信頼感指数が予想を大幅に下回ったためスタグフレーション懸念も再燃しさらなる売り圧力となった。終盤にかけ、米連邦公開市場委員会(FOMC)のタカ派を警戒した売りも強まり、下げ幅を拡大し終了。
米国株大幅安を受けて、東京市場は売り優勢で取引を開始した。日経平均は75日移動平均線38272円水準を下回ってスタートした後は38100円でのもみ合いとなった。決算発表銘柄を中心とした物色が続いており、日経平均やTOPIXなど指数は方向感に乏しい状況となっている。今晩の米国で、米雇用関連などの経済指標やFOMC発表を控えていることから積極的な売買は手控えられ、下値も限定的となっている様子。
日経平均採用銘柄では、サウジアラビアで採算が悪化し前期赤字転換予想と発表した日揮HD<1963>が急落となったほか、前日決算発表後に買われた商船三井<9104>
は下落し、前日の上昇分がはく落。また、決算に関連して東武鉄道<9001>、野村<8604>も売られた。日経平均採用以外の銘柄では、日本調剤<3341>、平和不動産<8803>、東京エレクトロンデバイス<2760>は決算が嫌気されて下落。
一方、1-3月期営業利益が前年同期比2.8倍で市場予想も上回ったことでレーザーテック<6920>が大幅高となった。また、JR西<9021>、JR東<9020>、資生堂<4911>、アドバンテスト<6857>、住友化学<4005>、三菱電機<6503>が上昇。日経平均採用以外の銘柄では、九州電力<9508>、北陸電力<9505>、東北電力<9506>など電力株が買われた。
業種別では、海運業、石油・石炭製品、ガラス・土石製品、証券・商品先物取引業、鉱業などが下落した一方、電気・ガス業、陸運業、水産・農林業の3セクターのみ上昇した。
為替は1ドル157円80銭台と158円台を意識した展開となっている。昨日公表された日本銀行の当座預金残高の資料から市場関係者が推計したところ、5兆円規模の円買い介入を実施したとの観測だが、29日につけた154円50銭台から既に3円超円安ドル高が進んでいる。今晩のFOMCではパウエルFRB議長が「タカ派」なコメントを行うとの見方もあり、米10年債利回りは上昇傾向を強める可能性がある。為替の円安推移で日本株が素直に買われる地合いではないが、政府・日銀による円買い介入が再度入るかもしれない、といった疑心暗鬼が日本株買いを手控えさせているようだ。後場も引き続き日経平均は38100円水準でのもみ合いとなろう。
<AK>
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