23日の米国株式市場は続落。ダウ平均は605.78ドル安(-1.53%)の39065.26ドル、ナスダックは65.50ポイント安(-0.39%)の16736.04、S&P500は39.17ポイント安(-0.74%)の5267.84で取引を終了した。半導体エヌビディアの好決算が投資家心理の改善につながり堅調に寄り付いた。その後、雇用関連指標やPMIが予想以上に強く利下げ期待の後退で長期金利が上昇し相場の上値を抑制。ダウはさらに、ボーイングの下落が重しとなり指数を一段と押し下げ下落に転じた。ナスダックも序盤、堅調に推移したが、終盤にかけ連休を控えた利益確定売りも重しとなり下落に転じて終了。
米国株の下落を受けて、東京市場は売り優勢で取引を開始した。日米金利上昇を受けて半導体などハイテク株中心に下げ幅を拡大したことから、日経平均は一時38367.70円まで下落する場面が見られた。ただ、時間外の米10年債利回りの上昇が一服したことで、先物を中心に買い戻す動きが入り、前引けにかけては下げ幅を縮小した。
日経平均採用銘柄では、中期経営計画に対する失望感が先行し富士電機<6504>が大幅安となったほか、ソシオネクスト<6526>、レーザーテック<6920>、アドバンテスト<6857>、スクリーンHD<7735>、東京エレクトロン<8035>、SUMCO<3436>など半導体株の下げが目立った。このほか、東京建物<8804>、住友鉱<5713>、ソニーグループ<6758>が売られた。日経平均採用銘柄以外では、日本マイクロニクス<6871>の下げが目立った。
一方、一部国内証券のレポートが材料視されてDIC<4631>、資生堂<4911>、川崎重
<7012>が買われたほか、日立<6501>、日本製鋼所<5631>、大林組<1802>が上昇。日経平均採用銘柄以外では、電力需要期待を材料に北海道電力<9509>が買われた。
業種別では、電気機器、情報・通信業、証券・商品先物取引業、不動産業、鉱業などが下落した一方、電気・ガス業、鉄鋼、ゴム製品、非鉄金属、海運業などが上昇した。
為替が1ドル157円台まで円安ドル高が進行している。4月29日、5月1日の政府・日本銀行と思われる円買い介入後、約3週間ぶりに157円台をつけた。昨晩の米国経済指標の強さもあるが、イエレン米財務長官が「為替介入は日常的に使われる措置ではない」とくぎを刺したことで、3回目の介入実施が難しいとの思惑が円安ドル高の原動力となっている。市場では円安を株高材料とするムードは弱く、上昇する金利とともに為替の円安進行も積極的な売買を手控えさせる様子見材料とみなしているようだ。本日の東京市場は大幅安にも関わらず、前場のプライム市場の売買代金が2.1兆円に留まっていることから押し目の弱さも気になるところだ。後場の日経平均は、再度下げ幅を広げる展開に警戒したい。
<AK>
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