東証プライムの騰落銘柄は、値上がり銘柄数が1500に迫り、全体の9割超を占めた。セクター別では、サービスを除く32業種が上昇。医薬品、海運、鉱業、倉庫運輸、建設の上昇が目立っていた。指数インパクトの大きいところでは、中外薬<4519>、ファーストリテ<9983>、コナミG<9766>、バンナムHD<7832>、第一三共<4568>が堅調だった半面、アドバンテス<6857>、東エレク<8035>、リクルートHD<6098>、TDK<6762>、信越化<4063>が軟調だった。
前日の米国市場は、予想を下回る決算を発表したユナイテッドヘルス・グループの急落の影響からNYダウは520ドル超の下落。米中貿易戦争への警戒感や企業業績への不安感から主要株価指数は下落。トランプ米大統領は米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長を批判し、解任する可能性に言及したことも金融市場の先行き不透明感を強めた。ただし、東京市場への影響は限定的だった。
肥満症治療薬の導出先の米製薬大手イーライリリーが臨床第3相試験で主要な有効性目標を達成したと発表したことを受けて中外薬が17%超の上昇で日経平均を124円ほど押し上げた。一方、対中半導体輸出規制強化などが引き続き懸念材料として前日の米国市場でエヌビディア株が下落しているため、アドバンテスや東エレクなど半導体関連株には値を消す銘柄が目立った。
日米関税交渉を通過したことは安心感につながったものの、買い戻しの動きにとどまっている。来週半ばからは本格的に国内主要企業の決算発表が始まる。米関税による収益への影響度は不透明要因だが、市場予想を下回る業績見通しを公表するなど悪材料が出れば、再び下値を探る動きになりかねない。決算内容を見極めつつ、個別での対応に向かわせそうだ。
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