なお、営業利益には、後述する一過性の費用変動による影響として、前期比25億円の増益要因が含まれ、加えて親会社株主に帰属する当期純利益には、和解金やブランド製品事業の減損損失、事業構造改革費用による特別損失として前期比41億円の減益要因が含まれている。
ブランド製品事業の売上高は338.14億円(前期比17.8%減)、セグメント損失は45.20億円(前期はセグメント損失39.81億円)となった。主力のクリエイティブソリューションは、コロナ禍で発生した前倒し需要からの回復遅れや中国で顕著な消費者センチメントの悪化、他カテゴリーへの需要シフトなど市場環境の変化による影響を受けるなか、ディスプレイ製品、ペンタブレット製品ともに販売が減少し、全体の売上高は前期を下回った。ビジネスソリューションは、流動的な市況や案件進捗の動向の影響を受けつつも、全体の売上高は前期を上回った。セグメント損失は、棚卸資産評価損の戻入益等の計上(注)や販管費の削減を図るも、減収による粗利減に加えて、部材の買付契約評価引当金の計上(注)や棚卸在庫評価減(注)を売上原価に計上したことなどにより、前期から拡大した。
(注)一過性の費用変動要因によるセグメント損益への影響は、前期比計11億円の増益要因
テクノロジーソリューション事業の売上高は849.81億円(前期比18.7%増)、セグメント利益164.81億円(同53.2%増)となった。市場環境の変化による影響を受けるなか、AESテクノロジーソリューション全体の売上高は、前期を上回った。またOEM提供先の需要が増加したことから、EMRテクノロジーソリューション全体の売上高は前期を上回った。セグメント利益は、増収による粗利増に加えて、部材の買付契約評価引当金の計上の減少(注)による粗利増などにより、前期を上回った。
(注)一過性の費用変動要因によるセグメント損益への影響は、前期比計14億円の増益要因
2025年3月期通期の連結業績予想については、売上高が前期比1.0%増の1,200.00億円、営業利益が同20.4%増の85.00億円、経常利益が同13.7%減の85.00億円、親会社株主に帰属する当期純利益が同35.9%贈の62.00億円を見込んでいる。
ワコムは、決算発表同日に行った決算説明会において、「(中期経営方針)Wacom Chapter 3」アップデートプランの改編の進捗報告を行った。その中で、在庫マネジメント強化により在庫削減計画が達成された一方で、ブランド製品事業における商品ポートフォリオの刷新と粗利改善の未達、販路マネジメント強化の改善も未達、その他施策は推進中であることが説明された。それらを踏まえて、ブランド製品事業の構造改革の再定義を行った上で更なる取り組みが説明された。今後のスケジュールとしては、2025年5月を予定している次期中期経営方針 Wacom Chapter 4の公表までに、半期ペースで各施策の進捗報告が実施される予定としている。
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