国内3連休中の米国株式市場のダウ平均は連日上昇。2日は、連邦公開市場委員会
(FOMC)で2会合連続での政策金利据え置きが決定され、パウエル議長の発言を受けて利上げ終了期待が強まった。3日は、10月雇用統計や消費関連指標が予想を下回ったため連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ終了期待がさらに強まった。また、来年の利下げ確率も上昇し長期金利が一段と低下すると、買いにさらに拍車がかかり続伸した。ナスダック総合指数も連日続伸、堅調な展開となった米株市場を横目に、日経平均は前週末比500.93円高の32450.82円と大幅に4日続伸でスタートした。その後はじりじりと上げ幅を広げた。
個別では、東エレク<8035>やレーザーテック<6920>などの半導体関連株、トヨタ自<7203>やホンダ<7267>などの自動車関連株などが堅調に推移。また、三菱商事<8058>や三井物産<8031>などの商社株も上昇、ファーストリテ<9983>、ソフトバンクG<
9984>、ソニーG<6758>、オリエンタルランド<4661>、キーエンス<6861>、JT<2914>
など幅広い銘柄が上昇した。業績予想の上方修正及び自社株買い実施を発表したSWCC<5805>が急騰、日東紡績<3110>、ダイヘン<6622>、Appier<4180>が値上がり率上位となった。
一方、コンテナ船事業下振れで通期予想は据え置いた川崎船<9107>が急落し、郵船<9101>や商船三井<9104>などの海運株が軟調に推移した。また、業績予想の大幅下方修正がネガティブインパクトとなったキャリアリンク<6070>、7-9月期は市場コンセンサスが下振れ着地となったヤマダHD<9831>などが大幅に下落した。ほか、サイバーエージェント<4751>、日清粉G<2002>、シグマクシス<6088>などが下落。クオールHD<3034>、江崎グリコ<2206>、KADOKAWA<9468>が値下り率上位となった。
セクターでは、非鉄金属、輸送用機器、機械が上昇率上位に並んでおり幅広い業種が上昇、海運業、倉庫・運輸関連、銀行業の3業種のみ下落した。東証プライム市場の値上がり銘柄は80%、対して値下がり銘柄は18%となっている。
本日の東京株式市場は買いが先行し、指数インパクトの大きい値がさハイテク株が指数をけん引する展開となっている。国内連休中に発表された米国の経済指標が市場予想を下回ったことで金融引き締め長期化への懸念が後退、これを受けて国内の投資家心理も改善している。また、米長期金利は4.5%台まで低下しており、決算好調なグロース株にも物色が集まっている。そのほか、香港ハンセン指数や上海総合指数がともに上昇しており、アジア市況が堅調に推移している点も追い風となっている可能性がある。
さて、後場の日経平均は上げ幅を広げる展開が続くか。出遅れ感のある新興市場の指数も日経平均と比較して大幅高となっており、個人投資家の物色意欲は旺盛である。他方で、日経平均株価のテクニカル面では、5日移動平均線が25日線を下から上に抜けてゴールデンクロスを形成し、75日線も大きく上回って推移している。米株先物やアジア市況の動向に注意しておきたいが、今週は米国の金融政策に影響が大きい経済・労働統計の発表は特に見当たらないことから、幅広い銘柄で買い戻しの動きが継続しそうだ。特に、業績が拡大基調にあり株価が年初来安値圏にあった銘柄には値ごろ感からの押し目買いが向かうだろう。
(山本泰三)
<AK>
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