18日の米株式市場でNYダウは82ドル高と3日ぶりに反発。前日までの大幅下落を受けて買い戻しが先行し、トランプ政権がメキシコ国境の壁建設予算についてやや譲歩の姿勢を示したことも好感され、334ドル高まで上昇する場面があった。しかし、翌日発表される連邦公開市場委員会(FOMC)の結果等を見極めたいとの思惑から伸び悩んだ。こうした米国株の戻りの鈍さが意識され、本日の日経平均は8円安からスタートすると、朝方には一時20880.73円(234.72円安)まで下落した。節目の21000円を割り込んだことで売りがかさんだほか、本日上場したソフトバンク<9434>が軟調な出足となったことも投資家心理を冷やしたようだ。その後は下げ渋り、プラス圏に浮上する場面もあったが、米FOMCの結果発表を控え戻りは限定的だった。
個別では、ソフトバンクG<9984>、武田薬<4502>、ファーストリテ<9983>、ソニー<6758>、三菱UFJ<8306>などがさえない。ソフトバンクGは子会社ソフトバンクの軟調な出足を受けて3%近く下落する場面があった。任天堂<7974>や東エレク<8035>は2%超、東京電力HD<9501>は3%超の下落で前場を折り返した。東エレクはレーティング引き下げの動きが観測されている。また、新株予約権の発行を発表したコムチュア<3844>が東証1部下落率トップとなり、原油安が嫌気された国際帝石<1605>なども上位に顔を出した。一方、ファナック<6954>、キーエンス<6861>、資生堂<4911>などがしっかり。トヨタ自<7203>は小幅ながらプラスを確保した。また、通訳機「ポケトーク」が一部メディアで取り上げられたソースネクスト<4344>が東証1部上昇率トップとなり、キャリアインデ<6538>なども上位に顔をだした。セクターでは、鉱業、電気・ガス業、石油・石炭製品などが下落率上位。半面、空運業、建設業、機械が上昇率上位だった。
前日も指摘したとおり、市場では米FOMCにおける景気認識や利上げ見通しを見極めたいなどとの思惑が強い。日経平均が節目の21000円を割り込む場面では買い戻しや押し目買いが入っているが、積極的に上値を追う動きは乏しいだろう。後場の日経平均も21000円を挟んだもみ合いが続きそうだ。注目のFOMCについては、景気の先行きに慎重な見方を示した場合も、利上げ見通しを維持した場合もネガティブに捉えられる可能性があり、通過後にあく抜け感が広がるかは慎重に見極める必要がありそうだ。
過去最大級のIPO(新規株式公開)として注目されたソフトバンクは公開価格1500円を下回る1463円で初値を付け、その後1344円まで下落する場面があった。もう1つの新規上場銘柄であるKudan<4425>は人気となっており、マザーズ指数もソフトバンク上場による資金還流などからひとまず反発しているが、多くの個人投資家が参加したソフトバンクの軟調スタートは投資家心理や需給の悪化につながる可能性がある。
(小林大純)
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