3. 財務状況
2023年3月期末の財務状況について、流動資産は前期末比2,364百万円増の27,440百万円となったが、主に現金及び預金の減少509百万円、受取手形及び売掛金(電子記録債権を含む)の増加926百万円、棚卸資産の増加2,244百万円などによる。固定資産は前期末比581百万円増の13,364百万円となったが、主に設備投資による有形固定資産の増加398百万円、無形固定資産の減少173百万円、投資その他の資産の増加356百万円などによる。この結果、資産合計は前期末比2,946百万円増の40,804百万円となった。
一方で、負債合計は前期末比811百万円増の15,508百万円となったが、主に流動負債のうち買掛債務(支払手形及び買掛金、電子記録債務)の増加1,179百万円、短期借入金の減少937百万円、固定負債のうち長期借入金の増加41百万円、退職給付に係る負債の減少40百万円などによる。純資産合計は前期末比2,134百万円増の25,295百万円となったが、主に親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の増加913百万円、その他有価証券評価差額金の増加273百万円などによる。この結果、2023年3月期末の自己資本比率は61.8%(前期末は61.1%)となった。
同社ではバランスシートのスリム化に注力してきたが、2023年3月期末の正味運転資本(売上債権+棚卸資産-仕入債務)は11,770百万円(前期末比20.4%増、同1,991百万円増)となった。業績が堅調であったことに加えて増産及び欠品対策で棚卸資産が前期末比で2,245百万円増加(同31.2%増)したことで、売上高/棚卸資産回転数は、前期末比0.36回減少して年間3.33回となったが、正味運転資本/売上高比率は37.4%と前期(36.8%)とほぼ同等の37%近傍で安定しており、運転資本構造は妥当な範囲内に収まっている。
4. キャッシュ・フローの状況
2023年3月期の営業活動によるキャッシュ・フローは1,893百万円の収入となった。主な収入は、税金等調整前当期純利益の計上2,329百万円、減価償却費714百万円、仕入債務の増加1,003百万円などで、主な支出は、売上債権の増加683百万円、棚卸資産の増加1,864百万円、などとなっている。
投資活動によるキャッシュ・フローは399百万円の支出となったが、主に有形固定資産の取得361百万円による。財務活動によるキャッシュ・フローは2,242百万円の支出となったが、主な支出は長短借入金の減少(ネット)1,292百万円、配当金の支払額780百万円などとなっている。この結果、現金及び現金同等物は前期末比509百万円の減少となり、現金及び現金同等物の期末残高は7,416百万円となった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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