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2020/09/08 - 化工機(6331) の関連ニュース。―トラックなど商用車や船舶へ活用を探る、燃料電池を見直しへ― 燃料電池など「水素関連株」に見直し機運が高まっている。日本はトヨタ自動車 <7203> が燃料電池自動車の「MIRAI(ミライ)」を製造・販売するなど、水素技術の活用で先駆してきた。しかし、コスト面の問題などから、電気自動車(EV)の陰に隠れてやや期待値は低下していた。けれども、ここへきて環境面から水素を活用する動きが欧米を中心に本格化している。水素関連株には、いま新たな夜明けが訪れようとしている。●米国で燃料電池トラック企業「ニコラ」が話題に

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「水素関連株」に新たな夜明け、欧米で再評価機運が本格化 <株探トップ特集>

配信元:株探
投稿:2020/09/08 19:30

―トラックなど商用車や船舶へ活用を探る、燃料電池を見直しへ―

 燃料電池など「水素関連株」に見直し機運が高まっている。日本はトヨタ自動車 <7203> が燃料電池自動車の「MIRAI(ミライ)」を製造・販売するなど、水素技術の活用で先駆してきた。しかし、コスト面の問題などから、電気自動車(EV)の陰に隠れてやや期待値は低下していた。けれども、ここへきて環境面から水素を活用する動きが欧米を中心に本格化している。水素関連株には、いま新たな夜明けが訪れようとしている。

●米国で燃料電池トラック企業「ニコラ」が話題に

 欧米を中心に環境規制強化の流れが強まるなかクリーンエネルギーとしての「水素」を見直す動きが本格化している。今年6月、米国にトラックなどの燃料電池車(FCV)を開発する「ニコラ・モーター」が上場し、市場の話題を呼んだ。同社の株価は一時90ドルを超え、時価総額は米国のフォードや日本ではスズキ <7269>SUBARU <7270> なども上回った。ニコラの上場がきっかけとなり、米国ではバラード・パワー・システムズやプラグ・パワー、ブルーム・エナジーといった燃料電池関連の銘柄が見直されている。

●「EVは乗用車、FCVは商用車」の住み分けも

 株式市場では、EV大手テスラの株価急騰が話題を集めたが、同時に関心を集めているのが、ニコラなどが手掛けるFCVだ。市場には、将来的に自動車業界は「乗用車はEV、トラックなど商用車はFCV」と住み分けが図られるのではないか、との観測が浮上している。

 水素などを燃料として活用するFCVの特徴は、EVに比べて「長距離輸送に適しており、燃料の充填時間も短い」という点だ。特に、トラックなど商用車は荷物の積載量を確保するスペースも必要となる。商用車は乗用車と異なり、ビジネスからの視点が必要となる。この点で、FCVの見直し機運が急ピッチで進んでいる。FCVの普及には水素ステーションの設備投資が高額となることが課題だが、商用車をターゲットに絞れば、まずはトラックなどの交通量の多い基幹道路を中心に設置を行うことでインフラ整備を進めていくことも可能となる。

●欧州は30年までに50兆円規模の積極投資

 また、欧州でも水素社会の構築に向けての動きが本格化している。欧州連合(EU)の欧州委員会は昨年12月、2050年までに域内の温暖化ガス排出量をゼロにする「欧州グリーンディール」を推進している。そのEUは、7月に開催した同委員会で「水素戦略」を発表し、脱炭素の切り札として水素に積極投資することを表明した。同戦略でEUは、30年までに水素関連に対して最大で50兆円近い金額を投資することを表明している。脱炭素に向けては、EV化が進む乗用車に加え、トラックや船舶、飛行機、それに工場現場などでも温暖化ガス排出量ゼロを進める必要がある。そのための中核エネルギーとして、欧州では水素に焦点を当てている。

●先駆する日本も競争激化が必至に

 一方、日本ではトヨタが「MIRAI」を14年に発売を開始したほか、ホンダ <7267> も燃料電池車「クラリティ・フューエル・セル」を販売している。特に、MIRAIは東京オリンピックでの公式車両となる予定であり、世界に日本のFCVと水素技術をアピールすることが目指されている。また、政府の「水素・燃料電池戦略ロードマップ」では30年までにFCVの80万台程度の普及などが掲げられている。水素の活用では世界の先頭を行くといわれる日本だが、今後世界各国との競争は一段と激しさを増すことになりそうだ。

●岩谷産やエノモト、稀元素など注目

 以下、水素や燃料電池の関連株をみてみたい。自動車メーカーでは、トヨタやホンダ、それにトラックメーカーの日野自動車 <7205>いすゞ自動車 <7202> 、自動車部品ではデンソー <6902> など。ヤマハ発動機 <7272> が4輪のFCVを開発しているほか、豊田自動織機 <6201> は燃料電池フォークリフトを手掛けている。

 また、水素関連の代表銘柄の1社である岩谷産業 <8088> は、 水素ステーションを国内外で展開しているほか、液化水素を製造するノウハウを持つ。国内の水素ステーションの戦略的な整備や効率的な運営に取り組む合同会社「日本水素ステーションネットワーク」には、ENEOSホールディングス <5020>東邦ガス <9533>東亞合成 <4045>豊田通商 <8015> などが参加している。

 更に加地テック <6391> [東証2]は水素ステーション用の燃料電池用水素圧縮機を製造しているほか、エノモト <6928> は、固体高分子形燃料電池(PEFC)用セパレータの研究開発を進めている。エイチワン <5989> も、燃料電池用金属セパレータを手掛ける。第一稀元素化学工業 <4082> は、ジルコニウム化合物が燃料電池材料向けに伸びている。三菱化工機 <6331> は水素ステーション向けに水素製造装置などを手掛ける。山王 <3441> [JQ]は高純度の水素の精製に必要な「水素透過膜」を製造しているほか、愛知製鋼 <5482> はトヨタのMIRAIに高圧水素用ステンレス鋼が採用されている。神鋼環境ソリューション <6299> [東証2]は水素発生装置を製造している。

株探ニュース
配信元: 株探

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