<話題の焦点>=法人企業統計でも拡大顕著、設備投資関連銘柄に注目
設備投資拡大の背景には、さまざまな製造業から物流や倉庫に至るまで、幅広い事業分野での人工知能(AI)の活用などで効率化が加速しているのに加え、一部業種での慢性的な人手不足による省力化投資の需要が高まっているためとみられる。今後もIoT(モノのインターネット)、自動運転、遠隔医療、ロボットなど、将来の成長産業を支えるうえでも、日本のお家芸の一つでもある設備投資機器に関連した銘柄に注目したい。
ダイフク<6383.T>の18年3月期の連結業績予想は、売上高3800億円(前期比18.4%増)、営業利益266億円(同15.2%増)を見込んでおり、前期に続く連続2ケタ増益を見込む。電子商取引が普及加速している流通業界や、製造ラインの高度化・大型化が進む半導体および液晶業界の設備投資意欲は引き続き旺盛で、好調な受注環境が継続しそうだ。
IoT(モノのインターネット)関連企業の中核的存在である三菱電機<6503.T>は、従来から自動車向けの電装品に高い技術力を持ち実績を上げているが、三菱グループの三菱自動車<7211.T>が日産自動車<7201.T>の傘下に入ったことで、自動運転をはじめとした自動車関連の電装技術で、日産自との関係が一段と深まることが予想される。また、省力化投資の機運が高まるなか、三菱電機のFA分野での技術力と実績が改めて評価されそうだ。
ナブテスコ<6268.T>は国際的な設備投資ニーズを反映して、産業用ロボット向けを中心とする精密減速機の需要が極めて好調で、17年12月期通期の最終利益は4月28日時点で早くも上方修正され、期初予想の197億円を225億円に大幅に引き上げている。 公共投資計画を背景に、中国建機市場が回復歩調を強めており、油圧機器も好調に推移している。
ユーシン精機<6482.T>は18年3月期の連結業績見通しで、売上高210億円(前期比8.5%増)、経常利益27億円(同31.2%増)と大幅増益を見込んでいる。取出ロボットでは新機能を搭載した新商品の発売を予定すると同時に、医療関連や新規事業分野の特注機についても引き続き販売拡大に努める。こうした取り組みを推進するため、新本社での生産性向上や業務合理化、コストダウン活動を進める。
不二越<6474.T>の17年11月期の第1四半期(16年12月~17年2月)連結業績は、売上高546億6500万円(前年同期比5.1%増)、経常利益は32億7300万円(同52.1%増)と、経常利益は大幅増益の好調な滑り出しとなった。自動車・建設機械向けの需要が回復・拡大傾向にあり、部品事業ではベアリング、カーコントロールバルブ、油圧モータなどを中心に業績を牽引した。また、産業機械向けを中心にロボットが大きく伸長したことで機械工具事業も好調に推移している。
出所:株経ONLINE(株式会社みんかぶ)
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