「半導体」が5位にランクイン、調整一巡から出直りの機が熟す<注目テーマ>
1 メタバース
2 円安メリット
3 量子コンピューター
4 防衛
5 半導体
6 サイバーセキュリティ
7 再生可能エネルギー
8 原子力発電
9 水素
10 LNG
みんかぶと株探が集計する「人気テーマランキング」で、「半導体」が5位となっている。
半導体関連セクターは日米株式市場ともに年初から利益確定売り圧力に晒され、調整色を強めている。金利上昇局面を背景にバリュー株シフトの動きが強まり、グロース株の象徴であった半導体製造装置や半導体デバイスメーカーにとっては風向きが悪くなった。直近では中国でのスマートフォン出荷台数の減少などが観測され、半導体需給が緩むとの見方も出ており、米国株市場では半導体銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)が前週まで年初来安値圏で推移するなど、下値模索の動きを強いられていた。
しかし、半導体需要は長い目で見れば構造的な拡大局面が続いている。電気自動車(EV)など自動車のエレクトロニクス化の進展に加え、メタバースの普及に伴いデータセンター増設の動きは今後加速度的に高まる公算が大きく、これに比例して半導体需要も強く喚起される公算が大きい。台湾の半導体受託生産最大手TSMC<TSM>など半導体トップメーカーによる積極的な生産設備増強の動きはこれを裏付けている。日本半導体製造装置協会(SEAJ)によると、日本製半導体装置の販売額は22年3月期に前の期比4割増の3兆3500億円あまりに達する見通しにあるが、今期以降も勢いは衰えず、24年3月期まで過去最高更新基調を継続することが見込まれている。
3月決算企業の決算発表はこれからとなるが、この時期に半導体関連株も先行き不安から買い手控えムードが強くなってしまうのは仕方ないところ。ところが、これに先立ってウエハー搬送装置など半導体製造装置を製造するローツェ<6323.T>の決算発表で潮目が変わりつつある。同社は前週11日に22年2月期決算と23年2月期の業績予想を発表したが、22年2月期営業利益は前の期比70%増の158億900万円と急拡大、23年2月期も前期比56%増の247億3300万円と高水準の伸びを見込んでおり、これを評価する形で物色人気が集中した。また、マルマエ<6264.T>は半導体製造装置向け精密部品の加工を手掛けるが、前週末15日取引終了後に22年8月期業績予想の上方修正を発表、営業利益は従来予想の18億円から23億円(前期比91%増)に大幅に上乗せした。この発表を受け週明けから株価も急反騰局面に移行している。
これらの半導体関連企業の決算や株価の動きを見る限り、3月決算発表を前に調整色を強めている東京エレクトロン<8035.T>やアドバンテスト<6857.T>などの半導体主力株は拾い場となっている可能性がある。このほか、ディスコ<6146.T>、SCREENホールディングス<7735.T>、ワイエイシイホールディングス<6298.T>、野村マイクロ・サイエンス<6254.T>、芝浦メカトロニクス<6590.T>、フェローテックホールディングス<6890.T>、新光電気工業<6967.T>などもあわせてマークしておきたい。
出所:MINKABU PRESS
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