[日経平均株価・TOPIX(表)]
日経平均;23275.27;+25.66TOPIX;1626.76;+2.61
[後場の投資戦略]
米ハイテク株高や為替相場の円安進行を受け、本日の日経平均は前日高値(23316.69円)を上回って始まったものの、その後は上値の重い展開となっている。週末が控えているうえ、前日の米株式市場でも利益確定の売りが目立っただけに、やむを得ないところだろう。売買代金上位を見ると、ここまで戻り歩調だった自動車株や金融株といった大型バリュー(割安)株、さらに前日買われた半導体関連株などが揃って軟調。但し、エムスリーが上場来高値(株式分割考慮)を更新するなどグロース(成長)株の一角は堅調だ。富士フイルムや電通Gなどでは決算評価の買いもしっかり入っている。ここまでの東証1部売買代金は1兆円あまりで、オプションSQのわりに少なめ。それもあって決算発表のピークを迎えた中小型株が売買代金上位に顔を出している。
新興市場ではマザーズ指数が続伸。メドピア<6095>やJMDC<4483>といったヘルスケア関連株が好決算で賑わっており、エムスリーの上昇を後押ししている可能性がある。直近上場のティアンドエス<4055>も上値で売りが出ているとはいえ、連日の大幅高となっている。
海外では中国が7月の主な経済統計を発表したが、上海総合指数は小動きにとどまっており、手掛かり材料とはなりにくいだろう。米国でも7月の小売売上高や鉱工業生産・設備稼働率といった経済指標の発表が予定されており、後場の日経平均は前日終値近辺でこう着感を強める可能性がある。6月戻り高値(23185.85円、取引時間中)水準を上放れてくるかどうか見極めるのは来週に持ち越しとなりそうだ。
さて、このところ資産ごと、あるいはバリューやグロースといったファクターごとのリターンを占ううえで米長期金利の動向が注目されている。13日に発表された米30年債入札の結果は不調と受け止められており、アップルが55億ドル(6000億円弱)規模の起債を実施することもあり、米長期金利には引き続き上昇圧力がかかっているようだ。ただ、ある程度金利が上昇する局面ではあふれる投資マネーのイールドハンティング(利回り追求)的な動きも出てくるとみられるので、本格的な金利反騰局面に入ったと判断するのは時期尚早だろう。
また、この金利上昇局面でナスダック総合指数が反騰している点も見逃せない。コロナ禍が続くなかでの決算発表がおおむね一巡し、「買える銘柄」を選別して買う動きが出てきていると考えられる。これは必ずしも新興ハイテク株に限ったものではない。他の自動車大手が低迷するなか、トヨタ自は早くもPBR(株価純資産倍率)1倍水準を回復し、6月戻り高値水準をも上回ってきた。
来週はお盆休み明けと決算発表一巡で、業績面を再評価する動きが一段と強まる可能性もあるだろう。
(小林大純)
<AK>
日経平均;23275.27;+25.66TOPIX;1626.76;+2.61
[後場の投資戦略]
米ハイテク株高や為替相場の円安進行を受け、本日の日経平均は前日高値(23316.69円)を上回って始まったものの、その後は上値の重い展開となっている。週末が控えているうえ、前日の米株式市場でも利益確定の売りが目立っただけに、やむを得ないところだろう。売買代金上位を見ると、ここまで戻り歩調だった自動車株や金融株といった大型バリュー(割安)株、さらに前日買われた半導体関連株などが揃って軟調。但し、エムスリーが上場来高値(株式分割考慮)を更新するなどグロース(成長)株の一角は堅調だ。富士フイルムや電通Gなどでは決算評価の買いもしっかり入っている。ここまでの東証1部売買代金は1兆円あまりで、オプションSQのわりに少なめ。それもあって決算発表のピークを迎えた中小型株が売買代金上位に顔を出している。
新興市場ではマザーズ指数が続伸。メドピア<6095>やJMDC<4483>といったヘルスケア関連株が好決算で賑わっており、エムスリーの上昇を後押ししている可能性がある。直近上場のティアンドエス<4055>も上値で売りが出ているとはいえ、連日の大幅高となっている。
海外では中国が7月の主な経済統計を発表したが、上海総合指数は小動きにとどまっており、手掛かり材料とはなりにくいだろう。米国でも7月の小売売上高や鉱工業生産・設備稼働率といった経済指標の発表が予定されており、後場の日経平均は前日終値近辺でこう着感を強める可能性がある。6月戻り高値(23185.85円、取引時間中)水準を上放れてくるかどうか見極めるのは来週に持ち越しとなりそうだ。
さて、このところ資産ごと、あるいはバリューやグロースといったファクターごとのリターンを占ううえで米長期金利の動向が注目されている。13日に発表された米30年債入札の結果は不調と受け止められており、アップルが55億ドル(6000億円弱)規模の起債を実施することもあり、米長期金利には引き続き上昇圧力がかかっているようだ。ただ、ある程度金利が上昇する局面ではあふれる投資マネーのイールドハンティング(利回り追求)的な動きも出てくるとみられるので、本格的な金利反騰局面に入ったと判断するのは時期尚早だろう。
また、この金利上昇局面でナスダック総合指数が反騰している点も見逃せない。コロナ禍が続くなかでの決算発表がおおむね一巡し、「買える銘柄」を選別して買う動きが出てきていると考えられる。これは必ずしも新興ハイテク株に限ったものではない。他の自動車大手が低迷するなか、トヨタ自は早くもPBR(株価純資産倍率)1倍水準を回復し、6月戻り高値水準をも上回ってきた。
来週はお盆休み明けと決算発表一巡で、業績面を再評価する動きが一段と強まる可能性もあるだろう。
(小林大純)
<AK>
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