1. 2024年3月期第2四半期累計業績の概要
キャリアリンク<6070>の2024年3月期第2四半期累計の連結業績は、売上高が前年同期比1.0%増の22,235百万円、営業利益が同56.8%減の1,136百万円、経常利益が同57.0%減の1,140百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同59.8%減の729百万円と増収減益となり、期初計画に対して売上高、各利益ともに下回る結果となった。
前期と比較して見ると、売上高は製造系人材サービス事業が前年同期比19.5%増と好調に推移したものの、主力の事務系人材サービス事業が同1.5%減と減収に転じたことで微増に留まった。前期の収益拡大に貢献した地方自治体向けマイナンバー交付施策案件の発注規模が想定を大きく下回ったことや、企画提案型のプロポーザル競争入札方式を想定していたBPO案件の多くが一般競争入札方式に切り替わったことで、1件当たり受注単価が低下したほか落札率が低下したことなどが影響した。また、利益面では、BPO関連事業において想定していた受注高に届かなかったことや、一般競争入札方式で受注した案件の収益率が想定を下回ったこと、競争力強化を図るため積極的な人員採用やシステム開発投資を実施したことなどが減益要因となった。第2四半期末の連結従業員数は同23.9%増の960名と増収率を大きく上回った。
期初計画との比較においては、地方自治体向けマイナンバー交付施策案件の受注が想定を下回ったことに加えて、一般競争入札方式の導入によって収益率が低下したこと、新規案件として見込んでいた法改正対応関連案件の業務開始が2025年3月期に先送りされることになったことなどが下振れ要因となった。地方自治体向けBPO案件についてはこれまでプロポーザル競争入札方式で受注し、規模の拡大と収益性の向上を図ってきたが、第2四半期に入って多くの案件で一般競争入札方式が導入され競争も激化したことが利益面で影響したと見られる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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