今週の株式市場は、米中貿易戦争への警戒感は残るものの、海外株高と急速な円安を追い風に買い戻しが加速し、日経平均株価は前週比809円高と4週ぶりに急反発した。
週初の9日は前週末の米国や取引時間中のアジア株など海外株高を受けたリスク選好の流れの中、空売りの買い戻しが加速したこともあって、日経平均は続急伸となり2万2000円大台を回復した。
翌10日は前日のNYダウが大幅に3日続伸したうえ、為替市場で円安が進んだことで終始買い優勢の展開となり、日経平均は3日続伸した。11日はトランプ米政権が中国に対して2000億ドル相当の追加関税リストを公表したことで米中貿易戦争の泥沼化が警戒され、一転してリスクオフの流れとなり、日経平均は急反落し2万2000円大台を割り込んだ。12日はドル円相場が円安方向に大きく振れたことを受けて再びリスクを取る動きが鮮明となり、急反発し前日の下げ分をほぼ取り戻した。
週末の13日は前日にナスダック指数が最高値を更新するなど米欧株高に加え、為替市場で円安が一段を進んだことでリスク選好ムードがさらに高まった。海外ヘッジファンドなどによる買い戻しが加速し、日経平均は続急伸。上げ幅が一時500円を超える場面もあって、25日、75日、200日の3本の移動平均線を一気に上抜いた。
日経平均株価は、前週比809円(3.71%)高の2万2597円と4週ぶりに急反発して取引を終えた。上げ幅は3月5週以来の大きさだった。中期と長期のトレンドを示す75日、200日移動平均線の両線を上抜いたことで中長期の上昇トレンド復活への期待が高まった。
来週は中長期の上昇トレンドへの復活に向けて、5月と6月につけた2万3000円台のWトップを目指す展開が期待される。ただ、泥沼化しつつある米中貿易戦争が重荷となる可能性は残る。
重要イベントとしては、国内では19日朝に発表される6月貿易収支や20日朝に発表される6月全国消費者物価指数が注目される。海外では16日発表の中国4-6月期GDPと中国6月鉱工業生産や、17日発表の米国6月鉱工業生産指数に注視が必要だろう。
◆マーケット・トレンド(7月9日~13日)
【↑】 7月 9日(月)―― 続急伸・2万2000円台回復、海外株高で買い優勢
日経平均 22052.18( +264.04) 売買高12億2088万株 売買代金 2兆0415億円
【↑】 7月10日(火)―― 3日続伸、米株高・円安が追い風も戻り売り圧力を意識
日経平均 22196.89( +144.71) 売買高15億2212万株 売買代金 2兆6087億円
【↓】 7月11日(水)―― 急反落、対中追加関税を嫌気しリスク回避の売り優勢
日経平均 21932.21( -264.68) 売買高13億6664万株 売買代金 2兆3208億円
【↑】 7月12日(木)―― 急反発、円安を追い風に前日下げ分を取り戻す
日経平均 22187.96( +255.75) 売買高11億9258万株 売買代金 2兆3081億円
【↑】 7月13日(金)―― 大幅続伸、欧米株高や円安進行で一時500円高
日経平均 22597.35( +409.39) 売買高12億7836万株 売買代金 2兆5472億円
◆セクター・トレンド(7月9日~13日)
(1)ソフトバンク <9984> など情報・通信業が業種別上昇率トップ
(2)石油株も急反発、経営統合を発表した出光興産 <5019> と昭和シェル <5002> が牽引
(3)テルモ <4543> など精密、ソニー <6758> など電機といった輸出株が買い戻された
(4)信越化 <4063> など化学、住友電 <5802> など非鉄といった素材株が総じて堅調
(5)大和 <8601> など証券、三菱UFJ <8306> など銀行といった金融株も上昇
(6)JT <2914> など食品、JR東日本 <9020> など陸運といった内需株の一角はさえない
株探ニュース
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