今月末からの企業決算本格化や衆院選投開票を前に様子見姿勢も強く、前引けかけて急速に上げ幅を縮めると、後場も安値圏でのもみ合いに、終盤には再び値を崩す場面もあった。
大引けの日経平均は前日比40.03円高の29255.55円となった。東証1部の売買高は11億1780万株、売買代金は2兆7099億円だった。セクターでは空運業、陸運業、証券・商品先物取引業などが上昇率上位となった一方、海運業、その他製品、ゴム製品などが下落率上位となった。東証1部の値上がり銘柄は全体の36%、対して値下がり銘柄は58%となった。
個別では、新マグネシウム合金圧延材の共同開発を発表した日本金属<5491>が急伸し、業績予想の上方修正や増配を発表したソフトクリエイトHD<3371>や大阪ソーダ<4046>などと共に東証1部値上がり率上位に並んだ。証券会社のレーティングや目標株価の引き上げを材料にミライトHD<1417>、コーセー<4922>、IDOM<7599>なども買われた。
主力株では、傘下ファンドの投資先である米ウィーワークの上場決定の報道を受けてソフトバンクG<9984>が急伸。米長期金利の上昇を背景に三菱UFJ<8306>や三井住友<
8316>などのメガバンクも上昇。JAL<9201>、JR東日本<9020>、エアトリ<6191>、串カツ田中<3547>などのアフターコロナ関連銘柄は大幅高。米国初となる暗号資産(仮想通貨)ビットコインに連動した上場投資信託(ETF)の取引開始を刺激材料にマネックスG<8698>は急伸した。
一方、米当局による車両点検の緊急勧告の可能性が伝わった川崎重<7012>、中国商品取引所での石炭価格の下落が売り材料視された三井松島<1518>がそれぞれ急落、グリムス<3150>や大紀アルミニウム<5702>など共に1部値下がり率上位に並んだ。業績予想を下方修正したリョービ<5851>、証券会社の格下げ観測があったバリューコマース<
2491>なども売られた。1部売買代金上位では、日本郵船<9101>などの海運大手3社や
「ニンテンドースイッチ」の販売減速懸念が伝わった任天堂<7974>が急落、ベイカレント<6532>、リクルートHD<6098>、SUMCO<3436>、三菱商事<8058>、富士フイルム<4901>なども大きく下落した。
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