1. 2025年3月期の業績見通し
TDCソフト<4687>の2025年3月期の連結業績は、売上高43,000百万円(前期比8.3%増)、営業利益4,300百万円(同12.9%増)、経常利益4,600百万円(同8.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益3,090百万円(同0.0%増)を見込む。2025年3月期も同社を取り巻く事業環境は引き続き堅調な需要が見込まれるため、2025年3月期の売上高については、当初計画の40,000百万円に3,000百万円を上乗せし、43,000百万円(期初計画比7.5%増)とした。2024年3月期末における受注残高は10,128百万円(前期末比15.0%増)と好調であり、2025年3月期上期も案件の引き合いが多いことから、売上高予想はかなり確度が高いと弊社では見ている。利益面については、先端要素技術の獲得に向けた研究開発投資や、人材の確保・育成のための投資を積極的に行うものの、増収効果に加えて、収益性の高い高付加価値SIサービスやプライム案件を引き続き拡大し、営業利益率10%を確保しながらさらなる成長への歩みを進める。親会社株主に帰属する当期純利益については、2024年3月期の賃上げ促進税制適用の減税効果の反動で前期並みを見込む。
企業競争力の維持・強化を実現するためのモダナイゼーションなど、DX促進に向けた企業のIT投資は前期に引き続き好調に推移すると見られる。2024年3月期の顧客別売上高推移においても、銀行や官公庁・団体が前期比で大きく伸びているほか、クレジット、保険、製造業、非製造業とすべての分野において前期を上回り、成長が継続している。通信業者や流通業者などがキャッシュレス決済などの金融ビジネスに参入するなか、これまで基幹システムを借りていた企業や組織が本格的に事業を拡大させる動きを見せており、新たに基幹システムを構築する案件が増えている。銀行向け案件では、NTTデータグループが運営する地銀向け共同利用システムの統合クラウド化に伴う参加行のクラウドシフト関連案件等、ウラウド化案件が続々と具体化しており、需要は今後も継続する見込みである。金融ITソリューション分野、公共法人ITソリューション分野、ITコンサルティング&サービス分野を中心に、引き続き拡大基調が継続する可能性は高いと弊社では考えている。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
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