2021年7月よりACRLで開始した希少遺伝性疾患の拡大新生児スクリーニング検査については、検査数が2022年12月期の約1万件から2倍増ペースで拡大を続けてきた。CReARIDからの検査受託に加えて、2024年8月以降は群馬県や埼玉県、沖縄県などの地方自治体(またはその関連団体)からも受託を開始したことが要因で、四半期ベースの手数料収入推移を見ても右肩上がりで成長している。2025年12月期第1四半期は113百万円と前年同期比では大幅増となったものの、前四半期比では検査処理能力が限界に近付いてきたこともあり、1百万円の増加にとどまった。期初段階では下期に移転増床と設備投資を行うことで検査能力を増強する予定であったが、資金面の問題から増強計画が2026年以降に先送りとなる可能性が出てきている。現在はHGF遺伝子治療用製品の米国での上市が経営の最優先課題となっており、早期上市に向けて資金を優先的に振り向けており、ACRLの投資予算を2025年内に確保できるかどうか流動的なためだ。
なお、2025年1月からは新たに長野県(長野県立こども病院)からスクリーニング検査の受託を開始しており、ほかの自治体からも引き合いは来ているが、能力面から新規受託は様子見の状況となっている。なお、期初計画では下期に能力増強を行うことで、検査件数で前期比2倍増の約10万件を見込んでいたが、設備増強が先送りとなれば、売上計画は下振れすることになる。
同社は検査領域拡大の取り組みとして、2024年7月より希少遺伝性疾患の遺伝学的検査(確定診断)を開始したほか、治療効果のモニタリングを行うためのバイオマーカー検査を行う体制も整備し、希少遺伝性疾患検査をワンストップで提供できる体制を構築した。従来、これらの検査をすべて行う検査所はなく、医療機関では異なる検査所に依頼する必要があり手間が掛かっていたため、同社の検査所を活用することで利便性も向上する。同社にとっても、これら希少遺伝性疾患に関する検査を多く行うことで、新たな治療薬候補品を見出す機会が増えるものと考えており、今後も同事業については継続的に取り組む方針だ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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