個別では、マザーズ時価総額上位のフリー<4478>が週間で13.5%高、Sansan<4443>が同5.2%高と堅調。新型コロナウイルスワクチンの開発で注目されるアンジェス<4563>は同23.2%高となり、マザーズ時価総額8位に浮上した。売買代金上位ではアンジェスのほか、ティーケーピー<3479>が大幅高。前期業績が従来予想を上回って着地した。メドレー<4480>やミクリード<7687>も買い優勢。また、Delta-Fly Pharma<4598>は開発中の抗がん剤が国内臨床第3相試験に移行する見通しと発表し、週間のマザーズ上昇率トップとなった。一方、メルカリ<4385>は同1.9%安、ラクス<3923>は同6.0%安と軟調。また、これまで賑わっていた直近IPO銘柄の一角が大きく値を崩し、NexTone<7094>やサイバーセキュリティクラウド<4493>が下落率上位に顔を出した。ジャスダック主力ではワークマン<7564>が同8.6%安、ハーモニック・ドライブ・システムズ<6324>が同5.0%安となったが、セリア<2782>が同9.0%高となるなど高安まちまち。売買代金上位では出前館<2484>やリプロセル<4978>が比較的堅調だった。また、アルバイトタイムス<2341>やアマガサ<3070>が週間のジャスダック下落率上位に、アクセスグループ・HD<7042>や細谷火工<4274>が上昇率上位にそれぞれ顔を出した。
今来週の新興市場では、マザーズ指数は引き続きまずまずしっかりした値動きが期待できそうだ。先週から国内主要企業の決算発表がスタートしたが、新型コロナが国内外の経済に大きな影響を与えているため、手掛けづらさが意識されるだろう。個人投資家の関心は新型コロナの影響下でも成長が見込める新興株や、テーマ性のある中小型株に向かいやすいと考えられる。ただ、新型コロナを巡る先行き不透明感から、ゴールデンウィークの連休前には利益確定の売りも出そうだ。
今来週は、4月27日にアンジェス、28日にセプテーニ・HD<4293>、医学生物学研究所<4557>、30日にすららネット<3998>、Jストリーム<4308>、メルカリ、5月1日にジャパンインベストメントアドバイザー<7172>、7日にワークマン、8日にオンコリスバイオファーマ<4588>、ナカニシ<7716>などが決算発表を予定している。新興市場でも主力企業や注目企業の決算発表が出始める。メルカリは外出自粛に伴うEC(電子商取引)拡大の思惑から買われてきたが、決算発表を前に手仕舞いの動きも出てくるだろう。
IPO関連では、先週新たな新規上場企業は発表されていない。政府の緊急事態宣言が発令されているうえ、株式相場の先行きに対する懸念も拭えないため、IPO再開までにはなお時間を要するとみられる。前述のとおり、直近IPO銘柄の一角は買い疲れ感も出て値を崩しているため注意したい。
<HK>
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