東証プライムの騰落銘柄は、値上がり銘柄が1100を超え、全体の6割超を占めた。セクター別では、空運、パルプ紙、海運、鉄鋼など19業種が上昇。一方、鉱業、銀行、化学、石油石炭など14業種が下落した。指数インパクトの大きいところでは、ダイキン<6367>、エーザイ<4523>、HOYA<7741>、テルモ<4543>がしっかりだった半面、ファーストリテ<9983>、ファナック<6954>、第一三共<4568>、KDDI<9433>、資生堂<4911>が軟調だった。
国内が連休中の米国市場では、5日に大幅な反発を見せたものの、前日までは地銀株が急落するなど金融システム不安が警戒される波乱含みの相場展開だった。また、米連邦準備制度理事会(FRB)は利上げを打ち止めする可能性を示唆したが、早期の利下げは否定したため、金利動向に敏感なグロース株などにも売りが波及したようだ。その他、月次売上高の伸び鈍化が嫌気されたファーストリテが3%超下落したことも日経平均の重しになった。一方で、新型コロナウイルスの感染症法の分類がきょうから「5類」に引き下げられたため、空運や鉄道などリオープン関連株に値を上げるものが目立った。
今後の景気の行方を占う上では、FRBが9日に公表予定の商業銀行の融資担当責任者を対象に、銀行の「融資基準」や借手の資金需要の動向に関するヒアリング調査での貸出態度の結果が注目されるとの指摘が聞かれる。FRBの急速な利上げにより、金融機関の貸出態度は既に厳格化されているが、3月以降の金融不安顕在化後に貸出態度がより厳しくなっているかが焦点だ。また、国内では、主要企業の決算内容が注目され、個別物色の色彩が一段と強まることになるだろう。
<CS>
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