1. 中期経営計画の進捗状況
2018年3月期よりスタートした中期経営計画では、最終年度となる2020年3月期に連結売上高25,000百万円、営業利益2,700百万円を経営数値目標として掲げている。売上高は射程圏内に入っているが、営業利益については人件費や原材料費の上昇もあってハードルがやや高くなっている。ソフト99コーポレーション<4464>では成長戦略として、ファインケミカル事業、自動車分野を中心に新市場の開拓並びに新技術による新製品・サービスの開発を進めていくことで収益拡大を目指して行く戦略となっている。特に、ソフトウェア開発のハネロンを子会社化したことで開発力が強化されており、今後新事業における開発スピードの一段の加速が期待される。
中期経営計画における取組施策の進捗状況として、成果が出始めているものとしては、ファインケミカル事業における海外事業の基盤構築が挙げられる。従来は、中国、ロシア、東アジア、東南アジアが主要仕向地先であったが、2018年3月期以降、欧州市場やブラジル、インドといった新興国でも販路の開拓が進み、売上げが増え始めている。特に、ブラジルやインドは乗用車の保有台数も今後拡大が見込まれることから、成長期待は大きい。
また、車内向け製品の拡充・新展開については、変化する消費者ニーズに対応した新製品(ガラス用クリーナーや洗車用品)を投入し、販売増につながっている。既存市場でのシェア確保では、ここ数年横ばい水準が続いていたリペア商品(補修ケミカル製品、補修ペイント等)の売上げが、当第2四半期累計では前年同期比6.6%増収と久しぶりに5%を超える増収となった。また、ガラスケア製品についても「ガラコ」シリーズを中心に業界シェアで約7割の水準まで上がってきた。業務用製品については高付加価値タイプのコーティング剤の採用が進んでいるほか、OEM製品についてもコーティング剤だけでなく、新たに撥水ワイパーの採用が決まり、2ケタ増収となっている。
TPMS(タイヤ空気圧監視装置)については、現在トラック・バス向けを中心に販売しているが、新たに特殊車両(重機、建機等)やライトトラックに対応した製品の開発を進めているほか、乗用車向けについても純正品の交換用製品の開発や、シェアリングカー事業者向けの開拓に取り組んでいる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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