セクターでは、東証33業種全てが下落となるなか、とりわけ、石油・石炭製品や鉱業が2%安と下げが目立った。売買代金上位では、任天堂<7974>、ソフトバンクG<9984>、ファーストリテ<9983>、トヨタ自動車<7203>、ソニー<6758>、三菱UFJ<8306>、キーエンス<6861>、ZOZO<3092>が下落した。一方で、業績評価の動きが続くベネフィットジャパン<3934>が21%高と値上がり率トップになったほか、上振れ決算に加えて新中期計画なども好材料視されたスカラ<4845>やコンプラ費用を吸収しての高い増益決算の評価されたアルテリア<4423>、前週の決算が引き続き好感されている明和産業<8103>など、業績面が好感された銘柄が値上がり上位を占めた。
本日の前場取引では、為替相場における円高進行が一服したことが日経平均の下げ幅縮小における一因になったとみられている。前日の米国債券市場では、10年債利回りが2007年6月以来、2年債利回りを一時下回った。ドル買い需要の高まりなどからドルインデックスが夜間から引き続き強含みをみせるなか、オーストラリアにて7月雇用者数が市場予想を上回ったことで豪ドルが一時0.6788ドルまで上昇したことなども円売りに対する支援材料となったようである。
また、引き続き下げ局面における日経平均の下値メドとして意識されやすい株価純資産倍率(PBR)1倍レベルである節目の20000円処に近づくにつれて、日経レバETF<1570>を手がける向きも増加しており、この水準での押し目拾いの動きも足元で目立っている。前日の米主要3指数が揃って3%前後の大幅安となったことに対して、前引け時点の日経平均及び東証株価指数(TOPIX)は1.2-3%程度の下落幅に収まったことはひとまず安心感に繋がろう。無論東京市場では、米中貿易摩擦や香港デモなどの海外ニュースフローに振らされる展開が続いており、上値追いには慎重にならざるを得ないものの、日銀による上場投資信託(ETF)買い入れも期待されるなか、直近の全体相場に連れ安となっていた好業績銘柄を見直す動きは出てくる可能性がありそうだ。
(雲宮 祥士)
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