個別では、マザーズ時価総額トップのメルカリ<4385>が週間で2.5%高。決算が好感されたマネーフォワード<3994>は同19.0%高、EC(電子商取引)関連のBASE<4477>は同15.6%高と大きく上昇した。売買代金上位では、決算発表のオキサイド<6521>やレーティング付与観測のQDレーザ<6613>といった今年上場組の一角が大幅高。また、ウォンテッドリー<3991>が週間のマザーズ上昇率トップとなった。一方、フリー<4478>は同1.4%安、JMDC<4483>は同5.0%安と軟調。売買代金上位ではウェルスナビ<7342>が週初売りに押され、チームスピリット<4397>などが下落率上位に顔を出した。ジャスダック主力はハーモニック・ドライブ・システムズ<6324>が同3.6%安、日本マクドナルドHD<2702>が同1.4%安と全般に軟調。ただ、イメージ ワン<2667>や環境管理センター<4657>が賑わい、上昇率上位に並んだ。一方、サン電子<6736>などが下落率上位に顔を出した。IPOでは東証1部上場の紀文食品<2933>が初値こそ穏当だったものの、その後大幅に上昇。マザーズ上場のサイバートラスト<4498>は公開価格の4倍を超える初値を付けた。
来週の新興市場では、マザーズ指数が取引時間中の3月高値(1256.51pt)も上回ってくることに期待したい。新興株への資金流入が強まっている印象はなお乏しいが、IPO銘柄が賑わいを取り戻してきているのを見ると、個人投資家の物色意欲の根強さが窺える。日経平均のこう着感が強まってきたことに加え、海外勢の米債買い観測による米長期金利の伸び悩み、「まん延防止」拡大でのIT・ネットサービス見直しの動きなども支援材料となるだろう。
以前当欄で取り上げたマネーフォワードは決算をきっかけに割り負け修正に動き始めた感がある。一部の有力銘柄に投資資金が集中しがちだったこともあり、決算発表本格化を前に「優良割り負け銘柄」に注目してみるのも良いだろう。なお、来週は4月20日にマクアケ<4479>、23日にニッポン高度紙工業<3891>などが決算発表を予定している。「応援購入サービス」のマクアケ、セパレータ(絶縁材)の高度紙とも好業績が続くか注目されそうだ。
IPO関連では、4月22日にビジョナル<4194>とステラファーマ<4888>がマザーズへ、ネオマーケティング<4196>がジャスダックへそれぞれ新規上場する。転職サイト「ビズリーチ」のビジョナルはメルカリ<4385>以来の大型マザーズIPO。公開株の9割近くが海外配分となったが、海外勢の需要は旺盛だったとみられている。3社同時上場による初値買い分散なども想定されるが、好調な出足に期待したい。
<FA>
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