日経平均;26823.25;+170.73TOPIX;1803.73;+21.72
[後場の投資戦略]
12月も半ばとなり、市場では「掉尾の一振、ありやなしや」の議論が増えてきた。
一方、個人投資家中心に大いに盛り上がっている話題がもうひとつある。「怒涛のIPOラッシュ」だ。明日15日、物流のビーイングHD<9145>が東証2部に、人材管理プラットフォームが主力のスタメン<4019>がマザーズに上場する。これを皮切りに、年内26社のIPOが予定されている。手当たり次第に資金を投じるには数が多すぎることもあり、投資家は銘柄選択に余念がないだろう。今年は何かと「グロース株か、バリュー株か」の議論が盛んだった。感覚的にはIPO銘柄の多くはグロース株に分類されるのだろう。この機会に、東証が算出しているTOPIXグロース指数、TOPIXバリュー指数を使い、それぞれのパフォーマンスを見てみよう。
新型コロナワクチン実用化への期待と米大統領選の不透明感後退を手掛かりに、TOPIXなどの株価指数は11月に入り、糸が切れた凧のように舞い上がった。10月末からTOPIXが年初来高値をつけた11月27日までのほぼ1カ月間の各指数の上昇率(終値ベース、以下同)は、TOPIXが13.1%、TOPIXグロースは13.6%、TOPIXバリューは12.5%。
日々、「グロース株か、バリュー株か」の議論が展開されたが、株価が急騰した11月に限って言えば、結局、グロース株とバリュー株のパフォーマンスは大差がなかったようだ。
一方、今年3月につけた年初来安値からその後の高値までの上昇率は、TOPIXが44.5%、TOPIXグロースは56.5%、TOPIXバリューは32.7%となっている。コロナショック後の安値からの上昇相場でのパフォーマンスはグロース株優位が鮮明だ。また、TOPIXグロースの年初来高値が11月27日であるのに対し、TOPIXバリューは先週末段階で、1月20日の年初来高値に8.3%ほど届かない。日々の相場ではグロース株とバリュー株のシーソーゲームのように見えるが、少し長いタイムスパンでは、グロース株のパフォーマンスがバリュー株より優位となると言えるのかもしれない。この点、もう少し考えてみたいが、紙面の都合で次の機会に回す。
さて、後場の東京株式市場で日経平均はもみ合いとなりそうだ。新型コロナワクチンへの期待と足元の感染拡大懸念が交錯する中、今週は、海外で15日に11月の中国主要統計発表、16日にFOMC結果発表とFRB議長会見、11月の米小売売上高の発表があり、国内では17日から日銀金融政策決定会合、18日には結果発表と日銀総裁会見が予定されていることから、動きがとりづらい週になるとの指摘もあり、やや様子見ムードが強くなる可能性もありそうだ。
(小山 眞一)
<AK>
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