東証プライムの騰落銘柄は、値下がり銘柄が1200を超え、全体の7割近くを占めた。セクター別では、電気機器、証券商品先物、精密機器など6業種が上昇。一方、保険、鉱業、石油石炭、空運、卸売など27業種が下落した。指数インパクトの大きいところでは、ファーストリテ<9983>、東エレク<8035>、アドバンテス<6857>、ソフトバンクG<9984>、エムスリー<2413>が堅調だった半面、京セラ<6971>、味の素<2802>。第一三共<4568>、資生堂<4911>、KDDI<9433>が軟化した。
前日の米国市場はハイテク株中心に買われ、SOX指数が5%超の上昇となったほか、ナスダック指数も2%高となったことが支援要因となった。パウエル議長が会見で「財のディスインフレ過程は始まっている」などと物価の伸び鈍化について語ったことも買い安心感につながり、米長期金利が低下したこともプラスに作用した。しかし、米金利低下を受けた日米金利差縮小が意識され、円相場が1ドル=128円10銭台へと円高が進んだため、自動車や機械セクターには値を消す銘柄が目立っていた。このほか、好決算を発表した日立<6501>やキーエンス<6861>が上昇した一方、市場予想に届かない決算だった京セラ<6971>や住友化<4005>が下落するなど、決算を受けた個別物色は続いた。
FOMCを波乱無く通過したが、パウエル氏はあと2回程度の利上げに言及した。今後の政策運営の方向性はインフレ関連指標などのデータ次第で、引き続き経済指標には注意が必要だろう。また、FOMCの通過によって、投資家の関心は本格化している企業決算の内容に集中しよう。足元で発表された主要企業の決算を見る限り、まだら模様で心理的な節目の27500円を上抜けるのには力不足と考える向きが大半だろう。しばらくは企業業績動向をにらみながらの日替わり的な展開が続きそうだ。
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