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2020/08/19 - シンクロ(3963) の関連ニュース。―コロナ禍で狂った目算、自粛で増えた食材廃棄どう扱う― 新型コロナウイルス感染が深刻化するなか、まだ食べることができるにも関わらず廃棄される「食品ロス」の問題が再浮上している。外出自粛やイベントの延期及び中止、飲食店の営業時間短縮などから、外食に卸すはずだった食材や調理予定だった在庫、観光地のお土産が行き場を失っているからだ。足もとでは食品生産者や販売業者、飲食店などに大きな損害をもたらしているほか、貴重な資源を無駄にすることへの危機感も高まっていることから、食品ロス削減に向けた企業の取り組みを追った。●コロナが削減機運に冷や水 食品ロスは以前か

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食材需要“異変”に立ち向かえ 再出発「食品ロス削減」の今 <株探トップ特集>

配信元:株探
投稿:2020/08/19 19:30

―コロナ禍で狂った目算、自粛で増えた食材廃棄どう扱う―

 新型コロナウイルス感染が深刻化するなか、まだ食べることができるにも関わらず廃棄される「食品ロス」の問題が再浮上している。外出自粛やイベントの延期及び中止、飲食店の営業時間短縮などから、外食に卸すはずだった食材や調理予定だった在庫、観光地のお土産が行き場を失っているからだ。足もとでは食品生産者や販売業者、飲食店などに大きな損害をもたらしているほか、貴重な資源を無駄にすることへの危機感も高まっていることから、食品ロス削減に向けた企業の取り組みを追った。

●コロナが削減機運に冷や水

 食品ロスは以前から問題視されており、農林水産省が今年4月に発表した推計値によると、2017年度の食品ロス量は約612万トンで、国民1人当たりでは年間で約48キロ(年間1人当たりのコメの消費量に相当)。このうち食品関連事業者から発生する事業系ロス量は約328万トン、一般家庭から発生する家庭系ロス量は約284万トンとなっている。

 食品ロスについては、15年9月に国際連合で採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」で定められている「SDGs(持続可能な開発目標)」のターゲットのひとつに、30年までに小売り・消費レベルで世界全体の1人当たりの食料の廃棄を半減させることなどが盛り込まれている。これを受けて国内でも食品ロス削減の機運が高まり、19年7月には食品リサイクル法に基づく新たな基本方針が公表され、同年10月には食品ロスの削減の推進に関する法律が施行された。こうした流れを受け、今年は全国的に取り組みが加速するはずだったが、新型コロナの影響で逆に食品ロスは増加しているもようだ。

●広がる各社の取り組み

 農水省では新型コロナの影響で発生する食品ロスを問題視しており、未利用食品の販売を促進するビジネスをとりまとめて公表。NTTドコモ <9437> の食品ロス削減を目指すサービス「ecobuy」、伊藤忠テクノソリューションズ <4739>伊藤忠食品 <2692> などが出資しているコークッキング(東京都港区)のフードシェアリングサービス「TABETE」、オールアバウト <2454> [JQ]子会社のオールアバウトライフマーケティングの「サンプル百貨店」などが紹介されている。

 こうした動きに先行して多くの大手企業では既に取り組みが進んでおり、山崎製パン <2212>カルビー <2229> といった食品メーカー各社が注力しているのをはじめ、小売業界でもセブン&アイ・ホールディングス <3382> 傘下のセブン‐イレブン・ジャパンは販売期限が近付いた商品にnanacoボーナスポイントを付与するサービスを展開しているほか、ファミリーマート <8028> は特殊な包装技術を採用して消費期限を1日延長したサラダなどを順次発売。J.フロント リテイリング <3086> 傘下の大丸松坂屋は休業で販売機会を失い賞味期限が短くなったスイーツをショッピングサイトで販売し、良品計画 <7453> は5月に余剰在庫を抱える農家を支援することを目的に野菜セットをオンライン販売した。

●JR東日本は駅ナカのロス削減へ

 直近では、JR東日本 <9020> 子会社のJR東日本スタートアップがコークッキングと、駅の物販や飲食店での食品ロス削減の実現に向けて資本・業務提携。ツルハホールディングス <3391> 子会社のツルハは、エイチ・アイ・エス <9603> のグループ会社が開発したクーポンアプリ「No Food Loss」を用いて食品ロス削減を目的とした実証実験を開始している。

 オイシックス・ラ・大地 <3182> は8月から地域の食材を販売する専用ページ「おうちトラベル」を開始したほか、4月からスタートした外食業支援販売企画「おうちレストラン」の販売商品アイテムを更に拡大する予定。オークファン <3674> [東証M]子会社のSynaBizは社会貢献型ショッピングサイト「Otameshi」を運営しており、5月には新型コロナ緊急施策として特設ページ「Otameshiで在庫ロス救済!コロナ経済対策掲示板」を開設した。

●受発注システムなどに商機

 食品の無駄を省くためには、事業者が食材や商品の在庫を管理することが重要になるため、販売実績・特売情報・天候情報などから単品ごとの需要を予測し、自動発注できる「sinopsシリーズ」を展開するシノプス <4428> [東証M]にもビジネス機会が広がりそうだ。同社はこのほど、日本気象協会(JWA)と台風発生時の自動発注を実現するための実証実験を開始。JWAのデータを活用することで、異常気象時に一部の商品で発生する特殊な需要変動に対応する。

 これ以外では、インフォマート <2492>アルファクス・フード・システム <3814> [JQG]、アイル <3854>シンクロ・フード <3963>NEC <6701> が食材の受発注システムを手掛けており、食品業界向けソリューションを提供しているeBASE <3835> や仕入れなどが管理できるシステムを扱うジャストプランニング <4287> [JQ]などにも商機がありそうだ。

 また、在庫管理で活用される電子タグにもビジネスチャンスが見込め、経済産業省が19年2月に実施した実証実験に参加したヴィンクス <3784>サトーホールディングス <6287>東芝テック <6588>富士通フロンテック <6945> [東証2]などにも注目したい。

株探ニュース
配信元: 株探

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