今週の新興市場は下落。同時期の騰落率は、日経平均が+0.70%だったのに対して、グロース市場指数は-1.54%、グロース市場250指数は-1.75%。日経平均株価は42000円を割り込む場面もみられたが、週後半にハイテク株やAI関連株などを中心に買い戻す動きが強まり、43000円を回復した。半面、グロース指数、グロース250指数は、週前半の下落の影響が大きかった。時価総額が大きい銘柄で構成されているグロース市場コア指数は弱い基調が続き、週間ベースで-2.57%だった。
時価総額上位銘柄では、コンヴァノ<6574>の週間下落率が34%を超えた。新たに総額25億円のビットコインを購入することを決定したほか、新規事業として「AIマーケティング、データ分析事業」を開始すると発表したが、換金売りの流れが続いた。トライアルホールディングス<141A>は、先週の上昇を帳消しにする同9%超の下落となった。HENNGE<4475>、グローバルセキュリティエキスパート<4417>の下落率も7%を超えた。一方、足もとで調整が続いていた弁護士ドットコム<6027>は、リバウンド基調を強めて同13%超の上昇。サンバイオ<4592>、Heartseed<219A>などバイオ関連の一角が買われ、いずれも上昇率が7%を超えた。
その他、窪田製薬ホールディングス<4596>が週間で129%超の上昇。同社が販売している「Kubota Glass」に関して、中国の多元奇夢と福豪光学、エバーライトと販売特約店契約と売買契約を締結したとの発表が材料視された。下落基調を継続していたイメージ情報開発<3803>は、自律反発狙いとみられる買いから週末はストップ高をつけ、同48%超の上昇となった。一方で、ジェリービーンズグループ<3070>の下落率は40%を超えた。
今週はIPOがなかった。
■低位銘柄などで短期的な値幅取り狙いか
来週の新興市場は、引き続き方向感の定まらない相場展開の中、低位銘柄などでの短期的な値幅取り狙いに向かいそうだ。ただ、低位銘柄においても資金の逃げ足の速さから対象銘柄の変化は激しいだろう。暗号資産(仮想通貨)に投資する企業の一角で弱い値動きが目立つ中で、個人投資家の需給状況が悪化している可能性が警戒される。また、自民党の麻生最高顧問は次の衆議院選挙で勝利できる体制を整えるとして、総裁選前倒しの実施を求める考えを明らかにした。実施を求める国会議員は8日までに書面を提出することになっているため、国内の政治空白への警戒感、若しくは政策期待が高まる状況次第で、市場のトレンドが大きく転換する可能性がありそうだ。
「東京ゲームショウ2025」が9月25日(ビジネスデイ)から開催される。7月発表時点での出展社数は772社(国内473社、海外299社)となる。CRI・ミドルウェア<3698>や日本ファルコム<3723>、ワンダープラネット<4199>、バンク・オブ・イノベーション<4393>、ブシロード<7803>、GENDA<9166>、Aiming<3911>などゲーム関連銘柄へは、来週から再来週にかけて投資家の関心が集まる可能性がありそうだ。
なお、来週はIPOが予定されていない。
<FA>
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