2019年の企業別のM＆A件数（グループ内再編を除く）において、ソフィアホールディングス <6942> [ＪＱ]が最多の11件を記録し、前年の10件に続き2年連続でトップとなった。
上場企業が義務付けられている適時開示情報に基づき、M＆A仲介大手のストライク <6196> （M＆A Online）が集計した。
ソフィアホールディングスはインターネット関連事業を主力としてきたが、積極的なM＆Aで調剤薬局事業への業態転換を推し進めている。ただ、11件のM＆Aには最終的に条件が折り合わないなどの理由で2件の買収中止が含まれ、課題を残した。
2位は年間5件でＳＨＩＦＴ <3697> 、アイカ工業 <4206> 、第一交通産業 <9035> [福証]、電通グループ <4324> の4社が並んだ。4件は日本電産 <6594> 、クリエイト・レストランツ・ホールディングス <3387> など8社あった。
◆約130社が「2件」以上、製造業ではアイカ工業が最多
2019年のM＆A開示件数は前年を59件上回る841件と4年連続で増加し、08年（870件）以来の高水準となった。M＆Aを手掛けた企業数は647社で、このうち1社で複数のM＆Aを公表したのは129社（323件）と5社に1社を占める。1社で年間2件は88社、3件だと28社あった。
2年連続で件数トップのソフィアホールディングスが公表した11件のM＆Aは買収10件、売却1件。買収10件中、9件は調剤薬局だったが、このうち2件については売り手側に表明保証違反があったなどとして買収を取りやめた。
製造業ではアイカ工業の5件が最多だった。前年のM＆Aはゼロだったが、2019年はアジアでM＆Aに相次いで取り組んだ。なかでもメラミン化粧板の世界的大手、米ウィルソナート傘下のアジア太平洋子会社4社（1案件）の買収には162億円を投じた。
◆M&Aテコに成長投資を積極化するワールド
電通グループはデジタル広告分野を中心に欧米やインド、ベトナムで5件の買収を発表。ソフトウエアテスト・品質保証事業のＳＨＩＦＴ、タクシー大手の第一交通産業も同業を主なターゲットとして5件を手掛けた。
年間4件には2018年に13年ぶりに再上場したアパレル大手のワールド <3612> が名を連ねた。米国の注文シャツメーカーのオリジナル社、婦人靴小売りの神戸レザークロス（神戸市）、高級バッグに特化したサブスクリプション（定額課金）型レンタルサービスのラクサス・テクノロジーズ（広島市）の内外3社を傘下に収める一方、韓国子会社を譲渡した。再上場を機にM＆Aを通じた成長投資にアクセルを踏み込む様子がうかがえる。
■企業別M&A件数（2019年）
【11件】
ソフィアホールディングス <6942> [ＪＱ]
【5件】
ＳＨＩＦＴ <3697> 、アイカ工業 <4206> 、第一交通産業 <9035> [福証]、電通グループ <4324>
【4件】
ＦＨＴホールディングス <3777> [ＪＱＧ]、ＴＯＫＡＩホールディングス <3167> 、エボラブルアジア（現エアトリ <6191> ）、オートバックスセブン <9832> 、クリエイト・レストランツ・ホールディングス <3387> 、日本電産 <6594> 、ヒビノ <2469> [ＪＱ]、ワールド <3612>
【3件】
ＡＯＩ ＴＹＯ Ｈｏｌｄｉｎｇｓ <3975> 、イーエムシステムズ <4820> 、ＫｅｙＨｏｌｄｅｒ <4712> [ＪＱ]、Ｏｒｃｈｅｓｔｒａ Ｈｏｌｄｉｎｇｓ <6533> 、ＳＹＳホールディングス <3988> [ＪＱ]、アサヒホールディングス <5857> 、インパクトホールディングス <6067> [東証Ｍ]、エン・ジャパン <4849> 、栗田工業 <6370> 、ケアサービス <2425> [ＪＱＧ]、ケイアイスター不動産 <3465> 、ココカラファイン <3098> 、幸和製作所 <7807> [ＪＱ]、新東京グループ（TOKYO PRO Market)、ソニー <6758> 、大興電子通信 <8023> [東証２]、ティーケーピー <3479> [東証Ｍ]、トーカイ <9729> 、トーホー <8142> 、トライアンフグループ（TOKYO PRO Marketを上場廃止)、日本創発グループ <7814> [ＪＱ]、富士フイルムホールディングス <4901> 、ホンダ <7267> 、ミクシィ <2121> [東証Ｍ]、メディアスホールディングス <3154> 、モブキャストホールディングス <3664> [東証Ｍ]、ヨシムラ・フード・ホールディングス <2884> 、ワキタ <8125>
提供：M＆A Online（ストライク）
株探ニュース
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