日経平均は後場取引開始後には36104.89円まで下げ幅を広げた。また、年初からの上昇ピッチが速かったこともあり、目先の利益を確保する売りが出たことも重荷になった。ただ、日本株の再評価を進める海外勢などの押し目買いや時間外取引の米株先物がしっかりで推移しているため、心理的な節目の36000円を下回ることはなかった。
東証プライムの騰落銘柄は、値下がり銘柄が1100を超え、全体の7割近くを占めた。セクター別では、銀行、保険、パルプ紙、鉱業の4業種が上昇。一方、不動産、精密機器、建設、陸運などの29業種が下落した。指数インパクトの大きいところでは、アドバンテス<6857>、東エレク<8035>、ネクソン<3659>が堅調だった半面、ファーストリテ<9983>、ダイキン<6367>、テルモ<4543>、ファナック<6954>、KDDI<9433>が軟調だった。
前日の米国市場は、高安まちまちだったが、SOX指数が最高値を更新したことなどから、東エレクなど半導体関連株の一角は堅調だった。また、日銀による金融政策正常化観測から金利が上昇。利ざや改善期待から銀行株が堅調だった。一方、日米金利差が縮小するとの思惑から、海外市場で一時1ドル=146円台後半まで円高が進んだため、精密機器や電機、自動車など輸出関連株に値を消す銘柄が目立ったほか、金利負担増への懸念から不動産株も軟化した。
日経平均は年初から3000円超上昇したため、日銀会合の重要イベント通過で、目先の利益を確保する売りが膨らんだ形で、当然の一服だろう。また、来週には米連邦公開市場委員会(FOMC)を控えているほか、日経平均は過熱感が警戒されているなか、目先は調整場面があっても仕方がないだろう。ただ、関係者からは「押し目を待っていても押し目がこなかった昨年春の上昇相場時のこともあり、買い遅れている投資家は多い」との声もあり、総じて底堅く推移することも想定される。
<CS>
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