ウイルプラスホールディングス<3538>は、輸入車販売事業を行う4社の連結子会社を持つ純粋持株会社である。Jeep、FIAT、BMW、MINI、VOLVO、PORSCHEなど10ブランドの正規ディーラーを営む。祖業の地である福岡県を始め、東京都や神奈川県、山口県、東北エリアなどで32店舗を展開している。
1. 2020年6月期の業績概要
2020年6月期の業績は、売上高が前期比17.4%増の35,068百万円、営業利益が同3.8%増の1,160百万円となった。第2四半期累計業績では売上高が前年同期比31.5%増、営業利益が同 32.4%増の大幅な増収増益、期初計画を上回る展開を見せていたものの、第4四半期に新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けた。
同社では、顧客と従業員など関係者の感染予防のため、早期から新型コロナウイルス感染症対策を取っている。店舗内の感染拡大予防はもとより、商談は予約制として時間短縮を図り、オンライン商談も進めている。2020年4月~5月の緊急事態宣言下では、「3密」回避や外出自粛により、納車や試乗などに支障が生じたものの、既存店ベースの来店客数は前年同月比で3月11.8%減、4月28.4%減、5月14.4%減、6月2.6%増と回復に転じている。
2. 2021年6月期の業績見通し
2021年6月期の連結業績予想については、売上高が前期比3.0%増の36,134百万円、営業利益が同1.7%増の1,180百万円を見込む。新型コロナウイルス感染症拡大の一定の影響が期末まで続くとの前提で策定している。
3. 成長戦略
同社は、成長戦略として「マルチブランド戦略」「ドミナント戦略」「M&A戦略」を推進している。10ブランドを扱うマルチブランド戦略を採ることで、モデルチェンジによる販売サイクルの波をブランド間の新型モデル投入時期の差異により打ち消し、平準化を図る。加えて、最新のCIに準拠した改装と、視認性、利便性に長けた好立地に移転することで、店舗のポテンシャルを上げる方針を採っている。2020年6月期までで店舗改装はおおむね一巡していることから、2021年6月期以降は収穫期を迎えると見ている。
■Key Points
・2020年6月期は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けたものの増収増益で着地
・2021年6月期は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響が通期に及ぶ前提で策定
・成長戦略として「マルチブランド戦略」「ドミナント戦略」「M&A戦略を展開」
(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)
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