■株式見通し:トヨタや東エレクの決算を控え、積極的な売買は手控えられやすい
■富士フイルム、3Q営業利益 8.7%増 2026億円
■前場の注目材料:三菱商事、植物「カメリナ」をSAF原料に活用、米社と共同研究
■トヨタや東エレクの決算を控え、積極的な売買は手控えられやすい
9日の日本株市場は、売り優勢ながら次第に底堅さは意識されそうである。8日の米国市場はNYダウが207ドル安だった。ニューヨーク連銀総裁や米連邦準備制度理事会(FRB)の理事など高官が、相次いで経済の需要が予想よりも強く、インフレ制御のための追加利上げが必要になると主張したため、金利上昇を警戒した売りが優勢となった。シカゴ日経225先物清算値は大阪比205円安の27395円。円相場は1ドル131円30銭台で推移している。
シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、売り優勢の展開になりそうだ。日経225先物はナイトセッションで一時27360円まで売られる場面も見られ、終値で27500円を下回った。切り上がる5日線が足もとで支持線として意識されていたが、これを割り込んでいる。また、ボリンジャーバンドでは切り上がる+1σを支持線としたトレンドを形成するなか、これを下回ってきたため、センチメントを冷ます可能性はありそうだ。売りが先行するなか、日経平均は75日線が位置する27268円辺りが意識されてこよう。
また、決算発表がピークを迎えているが、昨日はソフトバンクG<9984>や任天堂<7974>の下げが日経平均の重荷となっていた。ソフトバンクGに底入れ感が見られてくるようだと、先物主導でショートカバーを狙った動きも入りやすいだろうが、本日はトヨタ<7203>、東エレク<8035>の決算を控えていることもあり、積極的な売買は手控えられやすいところである。
そのため、物色の流れとしては決算を発表した銘柄での個別物色が中心になりやすいほか、材料性のある低位銘柄などの一角には短期的な値幅取り狙いの資金が向かいやすいだろう。なお、昨日の引け後に決算を発表したところでは、芝浦<6590>、ペットゴー<7140>、イーエムネットJ<7036>、HUグループ<4544>、大平洋金<5541>、BEENOS<3328>、SANKYO<6417>、UEX<9888>、パンパシHD<7532>、ファルコHD<4671>、平和<6412>などが注目される。
■富士フイルム、3Q営業利益 8.7%増 2026億円
富士フイルム<4901>が発表した2023年3月期第3四半期業績は、売上高が前年同期比12.5%増の2兆942.60億円、営業利益は同8.7%増の2026.37億円だった。メディカルシステム事業では、内視鏡、医療IT、超音波診断等の分野を中心に販売が好調に推移し、売上が大幅に増加。オフィスソリューション事業では、COVID-19による中国ロックダウンの影響を受けたが、複合機・プリンター及び消耗品の国内販売と欧米向け輸出の増加や、東南アジアでの消耗品等の売上回復、為替影響等により、売上が増加した。ディスプレイ材料事業では、前年度にCOVID-19の流行下でモニター、タブレット及びTV需要が増加したことの反動や、サプライチェーン全体での生産調整の影響を受け、売上が減少した。
■前場の注目材料
・1ドル=131.30-40円
・米原油先物は上昇(78.47、+1.33)
・米長期金利は低下
・米国景気は拡大
・日銀は金融緩和を継続
・コロナ後の人流再開
・三菱商事<8058>植物「カメリナ」をSAF原料に活用、米社と共同研究
・ユニチカ<3103>ナイロン6系強化樹脂 “塗装レス”拡大、25年度5倍の500トン
・帝人<3401>300億円規模の収益改善計画、「深刻な危機」で来年度実行
・三菱商事<8058>燃料アンモニア供給網で韓・独社と提携、30年めど製造開始へ
・豊田通商<8015>ラストワンマイル配送のDX推進、ウィルポートなどと協業
・ホンダ<7267>電動化戦略加速、日米に新型燃料電池車を来年投入
・村田製作所<6981>スマホ市場悪化でコイル2拠点閉鎖
・UBE<4208>ブタジエンゴムで「ISCC PLUS認証」取得
・資生堂<4911>「D&Iラボ」設置、多様な人材と企業成長の関係性実証へ
・関西ペイント<4613>ドイツ社の鉄道塗料事業資産を買収
・三井化学<4183>旭化成とスパンボンド不織布事業を統合、10月新会社
☆前場のイベントスケジュール
<国内>
・08:50 1月マネーストックM3(12月:前年比+2.5%)
<海外>
・特になし <ST>
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