1. 2024年3月期の業績予想
同社グループを取り巻く環境については、電力市場価格については落ち着きを見せ始めたものの、引き続き電力調達コストの高騰が小売電気事業に対するリスク要因となっている。一方、電力コストの削減に対する需要は底堅く、また、脱炭素社会の推進に向けた再生可能エネルギーの活用拡大といった潮流により、エネルギーコスト削減コンサルティング、省エネ設備の販売、太陽光発電システムや蓄電池の販売を拡大する機会は引き続き増加していると考えられる。同社グループは、電力コストの高騰といった環境を踏まえ、2023年3月期より事業用太陽光発電システムを主力商材としてエネルギーコストソリューション事業の拡大を軸とする成長戦略をとっており、今期もさらに事業用太陽光発電システムの販売を拡大する。また、小売電気事業については業績変動に対するリスクヘッジ施策を講じて安定的なストック収益源とすることで、グループ全体の成長につなげる考えだ。
以上の前提に基づき、2024年3月期の連結業績については期初予想を維持し、売上高32,144百万円(前期比2.4%増)、売上総利益8,352百万円(同11.2%増)、営業利益4,320百万円(同20.0%増)、経常利益4,350百万円(同18.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益2,826百万円(同14.7%増)と増収増益を予想している。売上高は19期連続で、営業利益も3期連続で過去最高の更新を目指す。また、各利益の売上高利益率は上昇を見込んでいる。ただ、例年どおり期初の業績予想は保守的な前提に基づく予想である。弊社では、決算段階では最終的には期初予想を上回る可能性が高いと考える。実際、2024年3月期第2四半期累計決算では、売上高は通期業績予想比49.6%であったが、売上総利益は同61.3%、営業利益は同74.0%、経常利益は同74.3%、四半期純利益は同77.0%に達し、各利益項目は高い進捗率を示している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
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