セクターでは、東証33業種が全て上昇となるなか、海運業や電気機器、機械などの上げが目立った。売買代金上位では、日経平均への新規採用が明らかになったエムスリー<2413>が11%超の上昇となったほか、米アップルが廉価版スマートフォンを来春にも発売すると伝わり、村田製作所<6981>や太陽誘電<6976>などの上げも目立った。
そのほか、ソニー<6758>、東京エレクトロン<8035>、ソフトバンクG<9984>、ファーストリテ<9983>、KLab<3656>、アドバンテスト<6857>、ファナック<6954>が上昇した一方で、任天堂<7974>やZOZO<3092>は軟調であった。
これまで相場のリスク要因として意識されていた香港や英国、米中貿易対話に関する過度な警戒感がいったん後退し、東京市場にもひとまず安心感が広がっている。とはいえ、これら問題においては総じて根本的な対応・問題の終結というよりは、一部対応や意思決定・結論時期の先送りの動きが目立っており、リスクイベントが揃って小康状態に入ったという側面が強いだろう。これを踏まえると、本格的なリスクオン相場入りとまでは言いにくいだろう。相場全体の地合いとしては、今晩から週末にかけての米国市場において、7月製造業新規受注や8月ISM非製造業景況指数、8月雇用統計など重要経済統計の発表なども控えているため、これらを見極めたいといった向きも出てくる可能性はあろう。
とはいえ、本日の日経平均は、8月以降の価格帯別売買高における商いの集中しているレンジ(20600円水準)及び節目の21000円処をようやく突破した格好となっており、これに伴う指数先物に対するカバー的な動きは目先的には期待されやすいだろう。また、物色としては、足元で外資系証券によるショートポジションが積み上がっていた電子部品などのハイテク株や好業績銘柄を見直す動きが継続するかに注目しておきたいところである。
<AK>
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