6月28日の米国株式市場は反落。ダウ平均は45.20ドル安(-0.12%)の39118.86、ナスダック指数は126.08ポイント安(-0.71%)の17732.60、S&P500は22.39ポイント安(-0.41%)の5460.48で取引を終了した。寄り付きはまちまち。5月PCE価格指数(コア)の鈍化を受けインフレ再加速への懸念が後退、FRBによる利下げ観測が強まり相場を支えたが、ダウは決算が失望されたスポーツ用品メーカーのナイキが重しとなり下げて始まった。6月ミシガン大消費者信頼感指数が予想を上回ったことを受けて上昇。ナスダックは一時、過去最高値を付ける場面があったが、最新の経済指標を消化した後は下落に転じ、主要株式指数は小幅に下落して取引を終えた。
先週末の米国株は反落となったものの、フランス下院選の結果が懸念していたほど極右政党が躍進しなかったことなどから欧州政情不安が和らぎ、東京市場は買い優勢で取引を開始した。日経平均は40000円に迫る水準まで上げ幅を広げる場面も見られたが、朝方の買い一巡後は静かな地合いに。一方、時価総額が大きい保険株が買われたことから、TOPIXは6月28日の取引時間ベースの年初来高値2821.86ポイントを上回って前場の取引を終えた。
日経平均採用銘柄では、第1四半期決算上振れで通期予想を上方修正したJフロント<3086>が大幅続伸したほか、高島屋<8233>も好業績で買い優勢となった。また、川崎汽船<9107>、商船三井<9104>、日本郵船<9101>など海運株も上昇。このほか、第一生命HD<8750>、T&Dホールディングス<8795>など保険株や、アマダ<6113>、オークマ<6103>、横河電機<6841>、日本製鋼所<5631>が買い優勢となった。
一方、レーザーテック<6920>は、CFO交代に伴い思惑的な売りが膨らんだほか、足元値を戻していた住友ファーマ<4506>は短期的な売りに押された。このほか、レゾナック<4004>、テルモ<4543>、フジクラ<5803>、日産化学<4021>もさえない。
業種別では、海運業、保険業、石油・石炭製品、その他製品、卸売業などが上昇した一方、非鉄金属、パルプ・紙、化学、陸運業、精密機器などが下落した。
為替は、10時の値決め前のタイミングで1ドル161円10銭台まで円安ドル高が進行したが、ランチタイムは160円90銭台と円安ドル高は一服。一方、注目のフランス下院選の結果を受けて、円安ユーロ高は加速。1999年の単一通貨ユーロ導入後、初となる1ユーロ173円台に突入した。ユーロやポンドなど欧州通貨のほか、豪ドルなどオセアニア通貨に対しても円安が進んでいることから、投機筋による円売りポジション構築は積み上がっているとの観測。後場の日経平均、TOPIXともに為替動向を睨みながらの展開となりそうだ。TOPIXが年初来高値をしっかりと更新できるか注目したい。
<AK>
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