当第3四半期累計期間の業績については、ストック収益はサブスクリプション受注・売上高とも拡大し増収となったが、フロー収益は、コロナ禍により想定を超える影響を受けた。このような事業環境下でも、戦略投資をさらに拡大した結果、前年同期比では増収減益となった。
ITサブスクリプション事業の売上高は前年同期比15.8%増の25.32億円、セグメント利益は同24.3%減の3.03億円となった。第3四半期は、上期の好調な受注が売上高に順次計上された結果、増収ペースが拡大した。現在も受注は引き続き拡大しており、今後の増収ペースも拡大基調となるものとしている。一方、コスト面では、先行投資をさらに拡大した。具体的にはサブスクリプション資産の積極取得、IT人材の積極採用、情報システム投資等となっている。この結果、前年同期比では増収・減益となった。
ITAD事業の売上高は前年同期比4.1%減の14.10億円、セグメント利益は同23.9%減の3.97億円となった。新品PC出荷台数の減少に加え、上期のデルタ株に続いて、第3四半期にはオミクロン株感染者急増の影響を受け、企業や官公庁などで使用済みIT機器の排出の動きが鈍化し、同社の回収台数も前期比で減少した。売上高は、薄利ながら纏まった台数の入札案件の受注があり、僅かに減収となった。セグメント利益は減少となったが、回収台数の減少率に比べて最小限にとどまっており、テクニカルセンターDX等による業務効率化が収益性向上に寄与した。
コミュニケーション・デバイス事業の売上高は前年同期比49.1%減の0.54億円、セグメント損失は0.51億円(前年同期は0.17億円の損失)となった。感染者急増により観光業界は甚大な影響を受け、極めて厳しい状況が続いた。2021年9月末の緊急事態宣言解除後、10~11月は売上高が回復したが、その後のオミクロン株急拡大により大きな影響を受けた。日本旅行業協会が発表した「旅行業における新型コロナウイルスガイドライン(第1版)」で、団体旅行での三密を避ける施策として「ガイドレシーバーを利用したガイディング等を行うこと」との推奨がされた結果、旅行代理店や観光名所からのイヤホンガイド(R)への問い合わせは続いているという。
2022年5月期通期については、売上高が前期比5.3%増の55.00億円、営業利益が同34.9%減の5.00億円、経常利益が同35.3%減の4.94億円、親会社株主に帰属する当期純利益が同37.6%減の3.10億円とする1月14日に修正した連結業績予想を据え置いている。
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