東証プライムの騰落銘柄は、値下がり銘柄が1600を超え、全体の9割を占めた。セクター別では、海運、パルプ紙の2業種を除く31業種が下落。非鉄金蔵、輸送用機器、ゴム製品、鉱業の下落が際立っていた。指数インパクトの大きいところでは、信越化<4063>、郵船<9101>、キッコーマン<2801>、川崎船<9107>がしっかりだった半面、TDK<6762>、ファーストリテ<9983>、アドバンテス<6857>、ヤマハ<7951>、東エレク<8035>が軟調だった。
前日の米国市場は、7月のADP雇用統計が市場予想を上回ったため、長期金利が一段と上昇したことも重荷となった。また、米国債の格下げについて、さらに緊縮財政へと向かわせる可能性があり、米経済の失速につながるとして、日本企業にも悪影響を及ぼし兼ねないと警戒する向きも多く、不安感が増幅していた。また、米国市場の取引終了後に発表した米クアルコムの決算が低調だったため、同社株が時間外取引で7%近く急落していることも悪影響を及ぼし、半導体や電子部品関連などを中心に値を消す銘柄が増加し、日経平均の下げ幅は一時570円に迫る場面があった。
日経平均は2日間で1000円超下落し、先行き不安心理が市場を覆っているが、悪材料ばかりではない。円相場が1ドル=144円を窺う円安になっており、輸出企業の収益にはプラスに働こう。また、本格化している主要企業の決算も総じて堅調な内容が続いているとの見方が多い。このため、当面は米国市場の動きがどうなるのかが最大の関心事だが、決算を手掛かりとした押し目待ちのスタンスで望みたい。
<CS>
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