2. 具体的施策
(1) ポテンシャルエリアの本格開拓
(欧米)
・グローバル顧客へのスペックイン活動の強化
・製造拠点の設置を検討
(ASEAN)
・中国での成功ビジネス(完成品)の横展開
・ASEAN地域でのスペックイン・仕入先開拓の強化、顧客のASEANシフトへの対応
(2) 開発部の機能強化
事業創出の観点から、開発部の機能を見直し、戦略地域・拠点や豊田通商グループとの連携を強化する。
(3) オートモーティブ
オートモーティブについては、成長が期待できる環境対応/電装化領域及び未開拓の海外OEM(主にEV関連部材)やTier1の攻略を進める。
市場環境としては、中国市場を中心にEVが急伸するほか、車載ディスプレイの大型化+複数化により、車は移動手段から「移動+情報ツール+娯楽」へ変化すると予想している。また、CASEの推進+異業種からの新規参入により、Tier1が未着手の領域(外装、電装等)にも進出し、電子基板、設計、実装の一括提案に対する需要が増加すると予想している。
具体的な施策としては、EV関連部材(eアクスル向け部材及びセンサー•ヒーター等)の拡販を進める。また海外Tier1の攻略としては、HMI向け日系高機能商材の提案強化、電気/機構設計が可能な技術部を活用した電子基板、設計、実装の一括提案、欧米への拠点拡充などを進める。拠点拡充については、既に2023年5月にポーランド支店を開設したが、以後も随時拡充する計画だ。
(4) アフターマーケット
アフターマーケットについては、国内市場での収益拡大及び海外市場への参入を目指す。市場環境としては、プライベートブランド(PB)市場が成長すると認識している。海外及び国内の家電量販店各社がPB商品の開発と販売を推進し、PB商品の売上高構成比は急拡大しており、今後もさらなる拡大が見込まれる。
これに伴い、国内大手量販店向け完成品(ODM)ビジネスを強化する。具体的な施策としては、ASEAN地域での仕入先開拓強化(中国での成功例を横展開)、取扱製品(完成品)の品目を充実させる。一方で、国内大手量販店向けで蓄えた知見を活用し、ASEAN現地企業PB向けに横展開する。ASEAN市場を足掛かりに、今後は欧米市場の開拓も進める。
(5) 医療機器
医療機器については、医療機器コネクティビティ市場への対応を図る。市場環境としては、先進国を中心とした世界的な高齢化及び、新興国の人口増加、経済発展、国民の所得向上に伴う医療需要増加が見込まれる一方で、「医療機器のエレクトロニクス化」が進むと予想している。
このような環境下、同社では多様化する医療ニーズを捉えたビジネスの強化を進める計画で、具体的には在宅医療(血圧計、体組成計等)向けビジネスの拡充、完成品(OEM)ビジネスの強化、歯科機器領域への取り組みなどを強化する。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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