2. マーケット別動向
Digital Electronicsの売上高は前期比19.5%(21,883百万円)減の90,240百万円となった。内容を見ると、液晶・TP・BLの売上高が前期比23,610百万円の減収となり、Digital Electronics部門の減収を完全に説明している。液晶・TP・BLはスマートフォン向け商材の代表的なものであり、2019年3月期の減収もスマートフォン関連需要の一巡が主因となっている。一方でエレマテック<2715>は、自動車のインパネ周り(運転席周り)で使用される液晶パネル関連の拡大に注力しており、今後はこの中身が変わってくる見通しだ。
Automotiveの売上高は前期比7.3%(1,813百万円)増の26,780百万円となった。Automotiveの中の具体的製品はヘッドライト部材、内装用部材、センサー類、モータ類、各種電子部品など多岐にわたっている。また、自動車に直接使用される部品のほかにも車載品向けの部材なども数多く含まれている。こうした幅広い商材を有していることも奏功し、前期比増収を達成した。しかしながら事前予想には届かなかった。下期の中国経済の減速の影響がAutomotiveのビジネスに及んだものとみられる。
Broad Marketの売上高は前期比12.2%(7,230百万円)増の66,379百万円となった。Broad Marketの中には、その名前が示すように、Digital ElectronicsとAutomotiveに当てはまらない様々なものが含まれる。その中で近年、伸び率や売上高の絶対額で目立つのがアフターマーケットと医療機器だ。アフターマーケットとは業種や業界に基づくネーミングではなく、自動車用品販売店で売られる後付けのカーナビを“アフターマーケット品”と呼ぶのと同じ意味でのネーミングだ。実際の内容も自動車用品の割合が高いとみられる。医療機器も様々なものを取扱っているが、現状大きいのは超音波診断装置の部材だ。2019年3月期もこれら2つの領域の商材が増収となり、Broad Marketの増収をけん引した。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川裕之)
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