先週は日本株に調整が入りましたね。今朝も日経平均はわずかに上昇して始まったものの、すぐにマイナスに転じ、またプラス圏に浮上するといったやや方向感に欠ける展開となっています。
さて、マネックス証券の「メールマガジン新潮流」が、7月10日に配信されました。そのなかから今回は、同証券のチーフ・ストラテジスト、広木隆氏のレポート「今週のマーケット展望」の内容をご紹介いたします。
まず広木さんは、先週の日本株相場について、『調整色の強い展開だった』として、『株価水準としては6月後半の調整局面とほぼ同じ位置まで下落した。日経平均は3万2000円台前半、TOPIXは2250ポイント付近まで下げて、ダブルボトムのような形だ』と振り返っています。
さらに、『需給面では相場の重石となったETFの分配金捻出売りも本日10日で峠を越える』として、『値ごろ感や需給面の悪材料通過から今週は押し目買いで反発に転じると期待される』と分析しています。
そして、そのカギを握るのは『米国の物価統計だ』とのこと。『12日に6月の米消費者物価指数(CPI)、13日に米卸売物価指数(PPI)が発表される』と日程を伝えています。
それらの影響について、『このところインフレは落ち着いているので、これらの物価指標の伸び鈍化が順当に確認できれば、米国金利低下~米国株の反発といった流れとなって、日本株の追い風になるだろう』と広木さんはいいます。
注意したいのは、『FRB(米連邦準備制度理事会)高官の講演だ』とのことで、『10日にはマイケル・バー副議長が、13日にはクリストファー・ウォラー理事が講演を行う』と日程を伝えています。
その中身については、『FRBが先週公開した6月13~14日開催分のFOMC(米連邦公開市場委員会)議事要旨によると、複数の参加者が利上げの継続を支持していた。FRBの今後の利上げスタンスに関する見解に注目が集まる』としています。
そんな中、国内では『小売りを中心に3-5月期決算発表が本格化する』として、『11日にローソン<2651>、12日にはABCマート<2670>、吉野家HD<9861>、13日にはファーストリテイリング<9983>、セブン&アイ・ホールディングス<3382>などの決算発表が予定されている』と主要決算を挙げています。
一方、米国でも『週末からJPモルガン・チェース・アンド・カンパニー[JPM]、ユナイテッドヘルス・グループ[UNH]、ウェルズ・ファーゴ[WFC]などを皮切りに四半期決算シーズンが始まる』と伝えています。
ただ、『日米とも企業業績に市場の関心が向かう時期となってきたが、まだ序盤戦だ。3月決算企業の発表は下旬から。月末にはFOMCと日銀金融政策決定会合も控える』として、『今月の後半はイベントが目白押しなので、その前にいったん調整を済ませておくのは相場のリズムとして悪くない。したがって、今週は反発に転じるものと期待しているが、万が一、期待が外れ調整が長引いたとしても、それはそれで現行水準の足場固めと割り切って捉えればよい』と広木さんは見解を述べています。
最後に、日経平均の今週の予想レンジは『3万2000円~3万3500円』としました。
参考にしてみてくださいね。
山崎みほの「気になるレポート」はマネックス証券の「メールマガジン新潮流」に掲載されたレポートを山崎みほの見解で注目し、コメントしています。レポート発行人との見解とは異なる場合があります。詳細は発行人のレポートをご確認くださいね。
フィスコマーケットレポーター 山崎みほ
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