株式会社FRONTEO(本社:東京都港区、代表取締役社長:守本 正宏、以下 FRONTEO)は、企業の退職者による営業秘密の漏えいやスパイ行為などの不正競争防止法違反への対策として、退職者のPCデータを完全複製し、さまざまな履歴を保全・管理するサービスの提供を開始します。
近年、サイバー攻撃による情報流出だけではなく、従業員や退職者の故意の情報持ち出しなどの内部不正行為が国内外で多発しています。製造業のある企業では、従業員が最先端技術を社内システムから抜き出すというスパイ行為により、技術情報など数十万件が国外に持ち出される被害が発生しました。こうした営業秘密の漏えいは、直接的な損害に留まらず、企業、ひいては国家の経済的価値や信用低下にもつながることから、国は不正競争防止法の改正を重ねるなどの対策を講じています。
独立行政法人情報処理推進機構(IPA)によると、営業秘密の漏えいルートは「現職従業員等の誤操作、誤認等による漏えい」が2016年の43.8%に比べ2020年は21.2%と半減した一方で、「中途退職者による漏えい」は28.6%から36.3%に増加1)しています(図1)。中途退職者や中途採用者に対し秘密保持契約を交わしている企業は半数以下2)と少なく、さらに内部不正発見時の対応について、日経平均銘柄の企業25社に絞った回答では60%が「わからない」2)としました。この調査結果から、内部不正が増加する一方で防止対策への企業意識が低い実態が明らかになっています。
また、転職者数は、2019年の過去最多数353万人まで増加傾向にあり、2020年、2021年は新型コロナウイルス感染症流行の影響で321万人、290万人と減少したものの、2022年には再び303万人と増加に転じています3)。就労者の転職を後押しする国の動きから、今後も人材の流動は進むものと考えられます。企業は、増加する中途採用者や退職者など人材の流動によるリスクを踏まえた、故意の営業秘密持ち出しやスパイ行為に備えた対策と意識改革が必要です。
本サービスは、退職者が発生した際に退職者のPCを企業がFRONTEOに発送すると、FRONTEOがデジタルデータを完全複製し、法的な証拠としての真正性を担保しながら、セキュリティエリアで温度管理・衝撃対策などを講じた上で厳重に保管するものです(図2)。不正行為は、従業員の退職後すぐに顕在化するとは限りません。退職者のPCを退職後すぐに初期化したり、他の従業員が使うために社内で再利用したりすることは、重要な証拠を復元不可能にしてしまうリスクがあり、法的証拠の効力の消失につながりかねません。本サービスは、退職時の状態のデータを固定化し長期保管することで、従業員の退職後数カ月から数年後に不正が発覚した場合でも不正調査の証拠確保を可能にします。また、米国訴訟や調査などの法的事由からリーガルホールドに至った場合、eディスカバリ(電子証拠開示)に必要なデータを保全します。
退職者PC保全サービス概要
◆対象事例:データ持ち出し、なりすまし・誹謗中傷、不正プログラム使用、産業スパイ等
◆内容:退職者のPCデータを完全複製・厳重保管
◆サービスウェブサイト:https://legal.fronteo.com/retiree-computers-dataintegrity/
※詳細はお問い合わせください
FRONTEOは、eディスカバリやデジタルフォレンジックにおけるサービス開発・改良に努め、複雑かつ多様化する故意の営業秘密の漏えいやサイバー攻撃などに対し、専門性が高く安心・高品質なサービスの提供に取り組んでまいります。
1)独立行政法人情報処理推進機構:企業における営業秘密管理に関する実態調査2020 調査実施報告書,
https://www.ipa.go.jp/archive/files/000089191.pdf
2)独立行政法人情報処理推進機構:企業における内部不正防止体制に関する実態調査 調査報告書,
https://www.ipa.go.jp/security/reports/economics/ts-kanri/ps6vr7000000jpfj-att/ps6vr7000000juem.pdf
3)総務省:労働力調査(詳細集計) 2022年平均結果, 年齢階級別転職者数及び転職者比率, https://www.stat.go.jp/data/roudou/sokuhou/nen/dt/zuhyou/900500.xlsx
■FRONTEOについて URL: https://www.fronteo.com/
FRONTEOは、自社開発AIエンジン「KIBIT(キビット)」を用いた多様なAIソリューションとサービスを提供するデータ解析企業です。「記録に埋もれたリスクとチャンスを見逃さないソリューションを提供し、情報社会のフェアネスを実現する」ことを理念とし、膨大な量のテキストデータや複雑なネットワークの中から意味のある重要な情報を抽出して、エキスパートの高度な判断を支援する自然言語処理ならびにネットワーク解析技術を強みとしています。リーガルテックAI、ビジネスインテリジェンス、ライフサイエンスAI、経済安全保障の各領域で事業を展開し、さまざまな企業の課題や社会課題の解決に貢献しています。2003年8月創業、2007年6月26日東証マザーズ(現:東証グロース)上場。日本、米国、韓国、台湾で事業を展開。第一種医療機器製造販売業許可取得、管理医療機器販売業届出。資本金3,042,317千円(2023年3月31日時点)。
※FRONTEO、KIBITはFRONTEOの日本における登録商標です。
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