日経平均は続落、中東情勢緊迫化も下げ幅限定的
前週末20日の米国市場でダウ平均は35.16ドル高の42206.82ドル、ナスダックは98.86ポイント安の19447.41で取引を終了。イランと欧州の会合に加え、トランプ大統領がイスラエル・イラン対立について外交的解決の余地を与えたため安心感が浮上。さらに、連邦準備制度理事会(FRB)のウォラー理事が早くて7月の利下げの可能性に言及すると早期利下げ期待を受けた買いも手伝い一段高となった。その後、トランプ米政権が中国に対する半導体規制を強化するとの観測がナスダックの重しとなり、相場を押し下げ。さらに、オプション満期日で、テクニカルな取引も見られ、終日調整色が強くまちまちで終了。
前週末の米株式市場を横目に、6月23日の日経平均は前営業日比142.54円安の38260.69円と3営業日続落でスタート。朝方の売り一巡後は、指数は横ばい推移となっているが、戻りは鈍くマイナス圏で推移した。米国がイランの核施設3カ所に攻撃を行ったことで、まずはリスク回避の動きが先行する展開となった。また、トランプ政権の半導体規制強化観測により国内の半導体関連株も軟調に推移しているが、指数全体としては大きな下落には至っていない。
個別では、アドバンテ<6857>やレーザーテック<6920>、東エレク<8035>などの一部の半導体関連株が軟調に推移。また、トヨタ自動車<7203>、フジクラ<5803>、任天堂<7974>、三井住友<8316>、サンリオ<8136>、キーエンス<6861>、ソフトバンクグループ<9984>、ソニーグループ<6758>、日立<6501>などが軟調に推移した。ほか、円谷フィHD<2767>、日本新薬<4516>、SREホールディングス<2980>などが値下がり率上位となった。
一方、三菱重工業<7011>やIHI<7013>、川崎重工業<7012>など防衛関連、INPEX<1605>や石油資源開発<1662>などの原油関連は堅調に推移。また、キオクシアホールディングス<285A>、リクルートHD<6098>、ファーストリテ<9983>、ルネサスエレクトロニクス<6723>などが上昇した。ほか、日経平均新規採用の決定で需給インパクト期待が広がったローム<6963>が大幅高、三井E&S<7003>、ミガロホールディングス<
5535>、ホギメディカル<3593>などが値上がり率上位となった。
業種別では、非鉄金属、電気機器、鉄鋼などが値下がり率上位、鉱業、建設業、精密機器などが値上がり率上位に並んでいる。
後場の日経平均はマイナス圏で小動きが継続するか。前場の指数は、売り一巡後に横ばい推移となっており、マイナス圏で推移しているものの下げ幅を広げる動きにはならなかった。現時点では、株式市場への中東情勢の影響は限られるとの楽観的な見方が広がっているが、米国からの攻撃を受けたイランの報復の動向など続報が出るまでは油断は禁物か。米国の関税政策による米国の景気動向やインフレ動向を注視しつつ、最新の状況を見守りたい。そのほか、日経平均は節目と見られた38000円レベルを上回る推移が定着しつつあり、同水準や25日線水準が今後も下値のめどと意識されよう。今週末には株主総会の集中日を迎えるため、ネガティブな材料が顕在化しにくいため、日本株は底堅い動きを続ける可能性があろう。
<AK>
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