![明日の株式相場に向けて=「日銀豹変」へカウントダウン開始](https://prod-public-assets-minkabu.s3.amazonaws.com/news/article_media_content/urn%3Anewsml%3Aminkabu.jp%3A20250206%3Ac0a4440e9c4c056a734bf02f2dab91ae/abb820409.jpg)
そうしたなか、きょうは田村日銀審議委員の長野県金融経済懇談会での講演内容に耳目が集まったが、マーケットではタカ派寄りであったとの認識で、ドル・円相場は1ドル=152円台を割り込む場面があった。日銀は1月の金融政策決定会合で0.25%の追加利上げを決め、現在の政策金利は0.5%となっている。この時は発表前のリークによるアドバルーン効果で株式市場は冷静に反応したが、次のステップである0.75%への移行がいつになるかということがマーケットの興味の対象となっていた。「これまでは(次の利上げが)6月か7月というのが暗黙のコンセンサスだった。そして年末にあと1回引き上げるイメージで、間隔を半年タームでみている向きが多い」(生保系エコノミスト)という。
田村審議委員は0.75%の利上げについて引き上げ時期については「適切に判断する」と言うにとどめたが、その後に続くコメントとして「政策金利を0.75%にしても引き続き実質金利は大幅にマイナスであり、経済を引き締める水準には距離がある」とし、「25年度後半には“少なくとも”1%程度まで引き上げておくことが必要」と発言した。田村氏は日銀の中でタカ派寄りのメンバーとして知られるが、としてもかなり踏み込んだコメントにドル・円相場では、一時151円台に入る急速な円高に振れた。政策金利1%は中立金利の最低ラインに過ぎないとする“田村発言”は、同時に1%は決してターミナルレートではない(最終地点ではない)ということを担保するような響きがある。
ハト派イメージの強かった植田日銀総裁も早晩、宗旨替えする可能性が高い。市場では「政治サイドからの利上げ要請圧力が出ているようだ」(ネット証券アナリスト)とする。元来、国会議員はスーパーなどで買い物をしないため、庶民が食品や日用品で物価高に閉口していても体感温度として理解できない。ところが正月に地元入りしたほとんどの政治家に、支持者からコメや果物、野菜などの物価上昇を何とかしてほしいという要望が寄せられた。これによって、喫緊に対応しないわけにはいかないという意識が政治家に芽生えているという。まずは、円安を何とかしないと、恒常的な輸入物価上昇に歯止めが利かなくなる。日銀の金融政策スタンスもゲームチェンジの場面に遭遇していることを示唆している。
きょうの東京市場では全体の7割を超える銘柄が上昇した。そのなか売買代金トップとなったディスコ<6146.T>が強さを発揮した。しかし、75日移動平均線をサポートラインにかろうじて上昇トレンドを維持しているとはいえ覇気がない。半導体関連の完全復活はやはり実現困難なステージに入ってきた印象がある。前日の米国株市場ではアルファベット<GOOGL>が決算発表を受けて7%あまりの大幅安となった。クラウドサービスの売上高や利益など成長率鈍化が明らかとなるなか、今年の設備投資額については市場コンセンサスの600億ドルを大幅に上回る750億ドルを提示した。成長鈍化が見えているなかで設備投資を強化する米ビッグテックの動きは、「いつか来た道で、2000年のITバブル崩壊時と同じ流れ」(ネット証券アナリスト)と指摘する声も聞かれる。
生成AIの進化は確かに目まぐるしいが、「スターゲート」に象徴されるAIインフラへの巨額投資は幻の果実を追い求めることにもなりかねない。指標株として見ておくべきは言うまでもなくエヌビディア<NVDA>だ。足もとの200日移動平均線の攻防がどうなるか、上昇トレンド維持か下降転換かを占う分水嶺として重要な意味を持つ。
あすのスケジュールでは、12月の家計調査、1月上中旬の貿易統計、12月の特定サービス産業動態統計、12月の景気動向指数速報値など。海外ではインド中銀が政策金利を発表する。また、1月の米雇用統計に対するマーケットの関心が高い。このほか、12月の米卸売在庫・売上高、12月の米消費者信用残高、2月の米消費者態度指数(ミシガン大学調査・速報値)などが発表される。(銀)
出所:MINKABU PRESS
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