米4月雇用統計への期待と不安
著者:神田卓也
投稿:2015/05/08 17:20
4月3日に発表された 米3月雇用統計は、失業率が5.5%、非農業部門雇用者数(前月比)が12.6万人増という結果でした。失業率はともかく、雇用者数の増加幅が予想(24.5万人増)にとどまった事から、米国景気に減速懸念が台頭するとともに、6月利上げ観測は大きく後退する事になりました。
根強い改善期待
もっとも、3月の減速については「悪天候」「原油安」「港湾スト」という一時的かつ特殊な要因によるものとの見方が少なくありません。それだけに、これらが剥落する(はずの)4月雇用統計への期待はそれなりに強いようです。事前予想中央値は失業率が5.4%、非農業部門雇用者数は22.8万人の増加と、いずれも前回から改善すると見られています。
不安要素も
ただし、米4月ADP全国雇用者数の増加幅が16.9万人にとどまった事や、米企業による4月の人員削減数が前年比で50%以上も増加した事など不安要素も少なくありません。
利上げ開始時期にも影響
期待と不安が交錯する中で、米4月雇用統計が期待以上の改善を見せれば、6月利上げの可能性が再浮上してドル高トレンド復活を後押しする事も考えられますが、反対に失望を誘う内容となれば6月利上げの可能性がほぼ消える事になり、足元で戻り歩調のドルは再び反落する公算が大きいでしょう。なお、ここ最近の米雇用統計では当たり前になってきましたが、金融政策を占う上では同時に発表される平均時給の結果も重要です。こちらは前月比+0.2%、前年比では+2.3%の伸びが見込まれています。
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