言葉遊びの金融政策に振り回されるな
昨日の日経平均の日足チャートでは窓を空けて上昇。強気相場が鮮明になっており、強い先高観が出ている。米国株が下落したことで朝方は軟調スタートが予想されるが、その後は押し目買いが優勢となりそうだ。基本的には日銀・年金・共済などの“鯨”が相場を支え、それに外国人買いが上値を買ってくる展開。主力銘柄が日替わりで物色されており、非常に強い相場が続いている。ローソク足での天井到達感は乏しく、売り一巡後は再度高値を試す動きになるだろう。
そのようななか、FRBのフィッシャー副議長は講演で、「年末までに利上げする」としながらも、「情勢によっては利下げする可能性がある」と発言した。これは「FRBが臨機応変に対応する」ことを示したものだが、見方によっては「利上げへの自信がない」とも捉えることができる。
所詮、FRBの金融政策なんていうのは、米財政赤字を緩和マネーによって補填しているだけ。多少、政策金利を上げたところで、緩和マネーの大規模な収縮を意味するわけではない。建前で利上げを実施しても、すぐに引き下げれば大勢に影響はない――そう考えることもできるのだ。米金融政策が「出口のないお化け屋敷」に突入しているなか、「本当に出口がない(金融引き締めなんてできない)」ことがバレたら、それこそ一大事。FRBの信用が失墜することになる。市場参加者が「ない出口」を求めて殺到し、金融パニックが起こることが必至なのだ。したがって、FRBメンバーによる“三文芝居”はこれからも続くことになり、従順な投資家たちは、その言葉を真に受けて、その芝居を食い入るように観ることになる。もし、宇宙人がこの一部始終を“俯瞰”していれば、あまりにも“馬鹿げた芝居”であることにすぐ気づくはず。投資家たちは“言葉遊びの金融政策”に振り回されてはいけないということであり、“本質を見極める力”がかなり重要ということになる。