鯨たちが相場を支え、外国人が上値を買ってくる
日経平均の日足チャートでは、先週末、下影陽線が出現。ほぼ高値引けとなっており、先高観の強いチャート形状となっている。為替は若干円高で推移しているものの、世界的な株高傾向を受けて、投資家は積極的に上値を買い進む公算が大きい。“鯨”たちが相場を支え、外国人が上値を買ってくるイメージだ。
こうなってくると、いよいよ「年度末2万円」の声が大きくなってくるだろう。基本的に戻り売り基調である個人投資家を除いて、ほぼ全員参加型の上昇相場を形成。あと1週間程度で達成すると思われる。
もちろん機関投資家のなかには、年度末の株価を意識した「お化粧買い」をしてくるところもあるだろう。そういった意識がますます株高をイメージさせ、2万円到達を後押しすると思われる。「みんなが考えるからそうなる」といった典型的なパターンといえよう。
だが、これは個人投資家にしてみれば、かなり危険な流れである。なぜならば、2万円到達時にマスコミが大ハシャギすることが、ほぼ確定的なっているからだ。これまで売り越し基調だった個人投資家が、この瞬間に買い越しに転じることになり、高値をつかんでいく。もちろん、その反対側でこれまで買い越しだった、機関投資家や外国人などが売っていく。そんな展開が予想されるのだ。例年、その“余韻”は一ヶ月程度続く。つまり、ゴールデン・ウィークまでは強いということであり、そのへんがピークとなる可能性が高いのだ。
もともとこの上昇相場は、中央銀行と政府系の機関投資家が作り出したいわば「官製相場」。実体経済を無視したバブル相場であり、最終的にはハシゴを外される公算が大きい。「2万円」そして「ゴールデン・ウィーク」までは“安全地帯”だが、そのあと“超危険地帯”に転じることを決して忘れてはならない。賢明な個人投資家ならば、今から両建てしておくとか、売りの準備をするなど、万全な対策を講じておかなければならない。オプション取引を利用するのも、ひとつの有効な対策である。