「明日はオプションSQ」
日経平均の日足チャートでは、上影陰線が出現。上値の重さを示唆しており、先安観の強いチャート形状となっている。上ひげは上方にファンダメンタルズの壁が位置しているから出現した可能性が高い。目先は13600円付近に位置しているテクニカルの壁との攻防が焦点となり、これを死守できるかがポイントとなりそうだ。
だが、このテクニカルの壁は、すでに消滅している可能性もある。なぜならば、いったん上方の2つの窓埋めに動いたからであり、ここで投資家が入れ替わっている可能性が高いからだ。「投資家が入れ替わる」ということは、「13600円付近でカラ売りした投資家が14000円台で買い戻しを行った」ということ。つまり、損切りしてポジションがなくなったから、テクニカルの壁が消滅したというわけである。仮に13600円付近でカラ売りした投資家が残存していた場合には、13600円に接近すると損失確定の買い戻しを入れることになる。「一瞬、大損したけど、小さな損に留まって良かった」となるのだ。
でも、いずれにしてもこのテクニカルの壁――消滅は時間の問題だ。株価は軸の傾きには逆らえず、最終的にはそっちの方向へ行ってしまう。落ち着きどころは「窓・壁・軸理論」が示す「理論株価」であり、価格帯別出来高の断面図である"すり鉢の底辺“まで落ち込むことになる。
明日はオプションSQだ。外資系証券を中心にSQを巡ってバトルが繰り広げられる。直近の下落はゴールドマンサックスのTOPIX先物の売りが要因とされており、これが持続的なものなのか、SQを境に判断しなければならない。もし、持続的なものならば、これから大量の日本株売りが出てくる。株価の大幅安に備えなければならないのだ。
たぶん、そうなるのだろう。今回の下落が「SQ目当て」との観測は一部であるが、外国人投資家から見た日本株の魅力はかなり薄れている。参院選が終わったことで、政権サイドの動きが極めて鈍いからだ。本日の日銀も「現状維持」でダンマリ。安倍政権からのプレッシャーはゼロであり、これが政府の実態なのである。すべては「保身」である選挙のため。選挙さえ終わってしまえば、経済や株価なんてどうでもいいことだ。
あとは数値を適当にこねくり回して、消費税増税に漕ぎつけられればそれでいい。政府は「9/9のGDP改定値を見て最終判断」などと言っているが、消費税増税は既定路線である。多少、経済指標が下ブレしても、強引に引き上げるつもりであろう。日本株は「操縦士を失ったゼロ戦」みたいなもの。特攻すらできずに、墜落することになる。(黒岩の眼より)