「日経平均は11000円乗せ、Fの壁の有無を確認へ」
外国為替市場では円相場が下落。1ドル=91円台前半、1ユーロ=122円台半ばでの推移となっている。ドルに関しては、上値抵抗線として意識されていたダブル・ノータッチ・オプションの権利行使価格1ドル=90.75円を突破したことで、一段と円安が進行。ユーロに関しては、欧州銀がECBから借りていた期間3年間の流動性オペ(LTRO)の返済スピードが速いとの観測から、ユーロへの警戒感が後退した。
また、日経平均の日足チャートでは、 1/15の高値(10952.31円)が意識されている。この付近で上値が抑えられる状況となれば、株価はトリプルトップ(三尊天井)を形成することになるだろう。先週末の日経平均の傾斜指数は+100%。過去のパターンでは天井となる場合もあった。投資家は10900円後半にファンダメンタルズの壁が存在しているか確認する必要があり、この有無によって投資スタンスを変えなければならない。存在していなければ、上方の窓を連鎖的に埋めることになる。
そして今週の注目イベントは、1/30の米FOMCの結果発表と、週末の米雇用統計だ。日本の国内材料だけでこれまで円安が進んできたが、この局面では改めて為替が「相対論」であることが意識されるだろう。場合によってはドルの弱さを再認識することになり、円買い・ドル売り要因になるだろう。一方的に円安が進まないことが明らかになり、市場の期待は急速に萎むかもしれない。「本当にヤバイ通貨はどっち?」と聞かれたときに、やっぱり「ドル」と応えざるを得ないということである。米国は財政緊縮策である「財政の崖」をウヤムヤにし、連邦債務上限問題も棚上げにしてきた。将来的にドルが大暴落する危険性をはらんでおり、円だけが下落することはあり得ないのだ。いずれその答えは出てくるだろう。