「週前半は強含み、後半は大崩れ」
一方、外国為替市場ではドルが下落。1ドル=78円台前半で推移しており、ドル安傾向が強まっている。先週末の米国でQE3観測が強まったことで、ドルが過剰供給されるとの見方が台頭。それがドル安につながっている。
その一方で、欧州リスク後退から対円でユーロが上昇。1ユーロ=100円台前半での推移となっており、日本株に対してはポジティブな影響を与えそうだ。東京株式市場では強弱入り乱れる形となり、方向感の乏しいスタートになりそうだ。
ただ、日経平均の日足チャートは、先週末の上昇により、強気のチャート形状へと転換。いったんはリバウンドを試す動きとなっている。軸が一時的に上向きになった可能性が高く、目先は上方の窓(8933.99円―8960.24円)を埋める動きとなるだろう。ここで達成感が出るのかがポイントであり、ローソク足の形状などで、軸の角度を推測する必要がある。
そして市場の注目は、9/12のオランダ下院選とドイツ憲法裁判所の判断、そして9/13のQE3の有無へと向かっている。
オランダ下院選に関しては、反緊縮派である社会党、労働党、自由党などがどこまで票を伸ばせるかが焦点。ユーロ圏の経常黒字国であるオランダの政権が揺らげば、ユーロ救済スキーム全体が崩れることにもなりかねない。
また、ドイツ憲法裁判所の判断に関しては、恐らく“合憲”となるのだろう。裁判所としてもユーロ危機に追い込むような大胆な判断はできないと思われるからだ。条件付きでこれを良しとするに違いない。
そして最後にQE3の有無だが、恐らく今回は見送る可能性が高いと思われる。なぜならば、米雇用が若干下ブレしただけで、FRBとしてリスクの高いQE3を選択するインセンティブがないからだ。「超低金利の継続」という形でお茶を濁し、この場を切り抜けるのだろう。
したがって、今週の株式相場は、前半は比較的ポジティブな反応。しかし、週末は大崩れの展開を想定したい。ドイツ憲法裁判所の判断でユーロが上昇し、株式相場にはプラスの影響があると思われる。しかし後半には「QE3なしのショック」で米国株式相場が大幅安。日本株もつれ安すると考えたい。日経平均の日足チャートでは、上方の窓(8933.99円―8960.24円) 埋めから、一気に下方の3つの窓(8448.54円―8513.20、8565.06円―8646.03円、8697.00円―8804.27円)埋めへ。当然、この時点で軸は下向きに傾いているはずだ。
なお、一部で富士山に低周波地震が頻発しているという情報がある。すぐに噴火するというシロモノではなさそうだが、一応、地震・噴火情報には注意をしておきたい。株式投資にとって、自然災害は最重要項目であるからだ。(黒岩の眼より)