【QAあり】アクシージア、エムアンドディ社の連結効果で2桁増収 日本売上強化も奏功し日本EC売上が前期比23倍超の大幅拡大
エグゼクティブ・サマリー
段卓氏(以下、段):本日はお忙しい中お集まりいただき、誠にありがとうございます。株式会社アクシージア代表取締役の段です。執行役員の溝田より、2025年7月期第1四半期決算についてご報告します。よろしくお願いします。
溝田逸平氏:株式会社アクシージア、執行役員の溝田です。これより2025年7月期第1四半期決算についてご報告します。
まずは、サマリーです。2025年7月期第1四半期累計の売上高は30.7億円で、前年同期比12.8パーセントのプラスとなりました。営業利益は0.5億円で、前年同期比77.6パーセントのマイナスとなりました。
2024年2月に子会社化したエムアンドディ社の連結効果により、売上高は前年同期比12.8パーセントの2桁伸長となった一方で、同連結による原価率の悪化、本社およびエムアンドディ社における人的投資等の影響もあり、営業利益は前年同期比でマイナス77.6パーセントとなっています。
当四半期のトピックスです。エムアンドディ社の売上寄与もあり、中国以外の地域の売上比率が30パーセントまで拡大しています。
中国三大イベントの1つ「W11」が10月中旬から実施されていますが、越境ECの総売上が過去最高を記録しました。前期比では6.5パーセントの伸長となっています。
また、「RED」の旗艦店は、日本企業で唯一、カテゴリ別ランキングで売上トップ10に選出されています。
日本市場においては、インフルエンサーマーケティングを強化しています。先ほど、エムアンドディ社についてお話ししましたが、それを除く部分でも、日本ECの売上が前期比2倍以上に拡大しています。
美容家電ブランド「Medullux(メデュラックス)」をローンチし、美容家電市場に本格参入しました。以上が主なトピックスとなっています。
売上・利益の状況 (2025年7月期 1Q 連結)
業績ハイライトです。2025年7月期第1四半期の売上高は30億7,900万円、前年同期比で12.8パーセントの伸長です。営業利益は5,700万円、前年同期比でマイナス77.6パーセントです。経常利益は5,100万円、四半期純利益は2,900万円となっています。
エムアンドディ社の連結効果によって、売上は前年同期比12.8パーセントの伸長となりました。ただし、営業利益については、原価率の悪化、本社とエムアンドディ社における人的投資等の影響により前期を下回る結果になりました。
地域別・チャネル別 売上高 (2025年7月期 1Q 連結)
地域別・チャネル別の売上高です。こちらもトピックスで言及したとおり、日本売上強化によって、日本ECの売上が前期比23倍超の大幅拡大となりました。その結果、中国以外の地域における売上比率が30パーセントまで拡大し、中国依存が大きかった地域ポートフォリオの偏りが改善しています。
中国売上高は21億円です。構成比は86.2パーセントから70.4パーセント、売上高前期比はマイナス7.9パーセントとなっています。日本・第3市場売上高は9億円です。構成比は13.8パーセントから29.6パーセント、売上高前期比はプラス142.3パーセントとなっています。
中国EC売上高推移 (2025年7月期 1Q 連結)
中国EC売上高の推移です。スライドのグラフの一番左側のバー、処理水影響前の2024年7月期第1四半期と比較すると、一番右側のバー、2025年7月期第1四半期は、「Douyin」の売上が減少しています。
ただし、真ん中のバー、2024年7月期第4四半期との比較では、「Douyin」含め中国EC全体で増収しており、足元は回復傾向です。
また、「Tmall」と「RED」については、芸能人の起用や自社ライブ販売等が奏功し、2024年7月期第1四半期との比較でも増収を達成しています。
<参考> 「W11」にて過去最高のGSV (総売上) を記録
参考ですが、「W11」で過去最高の総売上を記録しました。こちらについては、すべてが第1四半期の売上高に含まれているわけではありませんが、前期比で6.5パーセント伸長しました。
「RED」の旗艦店については、日本企業で唯一、カテゴリ別ランキングの「グルメ・栄養カテゴリ、ブランド旗艦店部門」で売上トップ10に入っています。
また、自社企画のライブ販売が売上に貢献し、2024年10月と11月の2ヶ月連続で「RED」の「グルメ・栄養カテゴリ・ライブ部門」で1位を獲得しています。
ブランド別 売上構成 (2025年7月期 1Q)
ブランド別の売上構成です。中国におけるインナーケア需要の高まりを受けて、インナーケアブランド「Venus Recipe(ヴィースナレシピ)」と「RevWell(レヴウェル)」の2つを育成分野として位置づけています。
需要の取り込みがうまくいっており、育成分野全体では前期比でプラス18.8パーセントを達成しています。
売上原価・販管費の状況 (2025年7月期 1Q 連結)
売上原価・販管費の状況です。
売上原価は8億5,600万円です。売上比は27.8パーセント、前年同期比で8.2ポイント増加しています。原価率70パーセント超のエムアンドディ社を連結したことによって、原価率が8.2ポイント悪化したということです。
販売費および一般管理費は21億6,500万円、売上比は70.3パーセントとなっています。その構成比としては、前年同期比で0.5ポイントマイナスです。
ただし、人件費についてはプラス2.6ポイント、広告宣伝費はあまり変わらずマイナス0.4ポイント、支払手数料はマイナス3.3ポイントとなっています。人件費の増加は人的投資によるものです。また、中国ECにおける自社ライブ販売強化により、プラットフォーム側に支払う手数料を一部統制し、支払手数料が売上比で減少したものです。
バランスシートの状況 (2025年7月期 1Q 連結)
バランスシートの状況です。2024年9月に3億円の自社株買いを実施し、10月には前期末の配当金2億4,400万円を支払っており、純資産の部からマイナスになっています。その結果として、自己資本比率は80パーセントと高い水準を維持しています。
また、本日、決算発表と同時刻に自社株買いとその消却についてリリースしています。こちらは機関投資家から申し入れがあり、さまざまなことを総合的に勘案した結果、自己株を取得して消却することを決定したものです。詳細については、リリースをご確認ください。
【損益改善】 営業利益率向上のための取り組み
今後の方針です。営業利益率向上のための取り組み内容とその狙いについてご説明します。
既存事業においては、育成分野の成長加速等による中国ECの売上回復や、日本における認知度向上および売上拡大を図ることで、原価率や広告宣伝費率の改善を狙っています。
子会社については、コスト効率の観点で、シナジー追求によって利益率の改善を図ります。具体的な内容は、スライドに記載のとおりです。
中国については、主力2ブランドの売上回復、ならびにインナーケアブランドの育成加速に取り組みます。
また、うまく進み始めている自社ライブ販売の強化については、中国ECの売上回復による原価率の改善効果と売上高広告宣伝費率の低減を狙っていきます。
日本においては、インフルエンサーマーケティングの強化、目もと関連製品および美容家電の販売強化に取り組むことで、認知度向上による広告効率の改善を図っていきます。
子会社のユイット社においては、アクシージア製品のOEM受託量の増加による原価の削減、エムアンドディ社においては、在庫整理や高利益率製品の取扱い増加等にそれぞれ取り組み、子会社の原価率改善に伴う連結利益率の改善を考えています。
【中国】インナーケア市場への展開強化と新ブランド育成
中国のインナーケア市場への展開強化と新ブランド育成です。
2021年から2024年にかけての「Douyin」の保健食品・サプリメント業界のCAGRは120パーセントに達すると予測されています。
その需要に着目して、「AGドリンク」以外のインナーケア製品を育成分野と位置づけた「RevWell」と「Venus Recipe」についても販売を強化します。
【日本】インフルエンサーマーケティング活用によるEC売上拡大
日本におけるインフルエンサーマーケティング活用によるEC売上の拡大についてご説明します。
当社のターゲット層を抱えるインフルエンサーを起用し、SNS上で製品をご紹介いただくインフルエンサーマーケティングを強化しています。認知度拡大のみならず、SNSからECサイトに誘導することで、EC売上の向上を図ります。
足元の成果としては、エムアンドディ社を除くオーガニックな日本のEC売上は、前期比で2倍以上に拡大しています。
【新規領域】 美容家電市場へ本格参入
新規領域としての美容家電市場への本格参入についてご説明します。
約2,500億円の市場規模を持つ美容家電市場に本格参入すべく、新ブランドの「Medullux」をローンチしました。同ブランドからヘアアイロンを上市し、積極的に広告投下しているところです。これは、日本における認知度向上と売上拡大を狙うものです。
スライド右側に、2024年11月上市の「Medullux」について記載しています。
【新規領域】 美容家電市場参入に伴う新設子会社活用
美容家電市場参入に伴う新設子会社活用についてご説明します。
2024年9月に美容家電の企画・販売会社のアクシージアテクノロジーを連結子会社として設立しました。製造以外を内製化することで、他社への流出費用の抑制や開発スピードのさらなる向上を図ります。
現在の商流としては、アクシージアが市場調査・コンセプト設計を行い、オプテックラボに製造工場選定や仕様検討等をお願いして、中国OEM先で製造し、オプテックラボで検収して、アクシージアでマーケティングと販売を行っています。
将来的な構想としては、アクシージアグループとして、アクシージアバリュークリエイターがマーケティングを行い、アクシージアは販売を担当します。そして、アクシージアテクノロジーで製造を除く部分を担当します。これにより製造部分以外での外部流出コストの削減を狙っています。
【子会社】 エムアンドディ社 株式取得後のシナジー創出
エムアンドディ社の株式取得後のシナジー創出についてご説明します。
エムアンドディ社の取得によって、狙いどおり日本売上が増強し、地域ポートフォリオも改善しています。
スロームービング製品の在庫整理等を実施したことで、足元の利益率は改善傾向にあります。今後も利益率改善のための取り組みを継続して、連結での利益率改善に努めていきたいと考えています。
株式取得後の変化です。グループ全体の日本EC売上は2,500万円から5億9,500万円と前年同期比で約23倍になり、日本の売上比率は9.5パーセントから26.8パーセントとなりました。
シナジー創出のための取り組みとその成果です。アクシージアバリュークリエイターからエムアンドディ社へのマーケティング支援によって売上を拡大しています。また、利益率の改善として、スロームービング製品の在庫整理、高利益率製品の取扱い数増加、値入率の高い仕入先への変更、販売価格の見直し等を行っています。
その結果、当第1四半期の売上高は、単純に単月を3ヶ月並べたものを比較した場合、前年同期間との比較で19.1パーセントのプラスとなりました。まだ期間としては連結に取り込んでいませんが、単月の黒字化にも成功しています。
今後は、さらなる利益率の改善を図るとともに、従来の取引先であるディスカウントストアと協業し、日本リテール向けの香水の開発、商品化に取り組みたいと思っています。
【子会社】 海外子会社の状況 (シンガポール、アメリカ)
海外子会社の状況です。スライドの表に、第1四半期までの動きと今後の方針を記載しています。第1四半期までの動きとしては、シンガポール子会社では、「TikTok」等にて、現地のインフルエンサーを起用したライブ販売を実施しています。
2024年6月に設立したアメリカ子会社は、順調に事業を立ち上げているところです。
今後の方針については、シンガポール子会社では、今述べたように「TikTok」をはじめとしたSNSによるECを中心に、販売を強化します。さらに、現地のサロンや展示会といったオフラインにおける販売も実施していきます。シンガポールで基盤を固めた後は、周辺の東南アジア諸国に展開していく構想で進めていきます。
アメリカ子会社については、2024年11月に実施した、インフルエンサーを招待したオフラインイベントの様子を、今後各インフルエンサーに、SNSで投稿いただくことによって、現地での認知度を向上させていきます。
あわせて、シンガポール子会社と同様に、「TikTok」等のSNSの当社アカウントを活用し、ECを中心に販売を強化していきたいと考えています。私からのご報告は以上です。
質疑応答:中国市場における拡販戦略について
司会者:「中国のローカル化粧品メーカーのシェアが伸びています。日本ブランドが苦戦する中で、中国市場におけるアクシージアの戦略を教えてください」というご質問です。
段:確かに今、日本の化粧品ブランドのシェアが、ほとんど中国ローカルブランドに奪われている状態になっています。中国全体が不景気で、消費者は低価格品を好む志向があり、現地の会社がうまくその部分に対応しているためです。
一方で、高価格帯製品の市場は、それほど縮小していないと考えており、むしろ販売方法が変化している状況だと見ており、この1年間ぐらいで有名KOL(Key Opinion Leader)による販売が急速に頭打ちになって、逆に自社SNSによるライブ販売が伸びています。
そこで我々は、今後中国市場においては、2つの戦略をとっていきたいと考えています。1つ目は、今お話ししたような、新しい販売方法への変革です。今までは大半をKOLに依存していた販売方法を、自社のライブ販売にシフトし、その比率を高めていきたいと思っています。
2つ目は、新製品をいち早く世に出すことです。新製品を出すと差別化を図りやすいため、新製品の売上拡大に注力していきたいと考えています。この2つの戦略を今、調整して実行している最中です。
質疑応答:第1四半期売上が計画と乖離した理由および今後の対策について
司会者:「前回の決算説明会における質疑応答の中では、第1四半期の売上は37.5億円となる計画でしたが、実績とはかなり乖離があります。この理由について、ご説明をお願いします。乖離が大きかった主な原因はどこにあるのでしょうか? ここから挽回は可能なのでしょうか?」というご質問です。
段:第1四半期の売上は、約37億円を予定していましたが、結果としては前年比12パーセント増加したものの、目標値は達成できませんでした。
実際は30億円ぐらいの売上となり、それがすべての利益を圧迫する中で、広告費用が増えました。挽回に向けては、先ほどお伝えした2つの対策に取り組んでいく方針です。
質疑応答:中国EC市場におけるプラットフォーム全体の動向について
司会者:「中国EC市場におけるプラットフォーム全体の動向について教えてください」というご質問です。
段:全体的には、今までは中国大手モバイルビデオアプリ「Douyin」がかなりの勢いで伸びていたのですが、少し頭打ちになりました。特に今回のセールスイベント「W11」では、「Tmall」や「JD」も売上が回復している状況です。
3社のうち、「Douyin」が圧倒的に強く有利な状態で伸びていた時代ではなくなっており、3社とも順調に少しずつ伸びている状況になっています。
今の段階では、新しい参入者が出ていないため、メインのプラットフォームはこの3社で、それプラス小さな企業がある、という状況は変わっていません。
質疑応答:インナーケア製品での有力な商品と新商品開発の状況について
司会者:「インナーケア製品における現状のラインナップの中で、今後成長が期待できる商品はありますか? 新商品の開発についてはどのような状況でしょうか?」というご質問です。
段:今後成長が期待できる商品は、3つほどあります。
1つは、「ザ ホワイト ドリンク」です。スライド27ページの、左上の写真でお示ししている商品です。下のグラフで、2025年7月期第1四半期に、濃い青色で2億8,400万円と表示されているのが、「ザ ホワイト ドリンク」の売上です。ご覧のとおり、前年比で伸びています。こちらの売上は、全体の中でかなり多くの部分を占めています。
ピンク色の写真でお示ししているインナーケア製品は、女性のホルモンを整える効果がある「Venus Recipe(ヴィーナスレシピ)HM プランプボール」です。
さらに、今回のスライドには出していないのですが、コラーゲンを配合したドリンクもあります。こちらも今後期待できる製品の1つです。
質疑応答:株価と時価総額を上げるための対策について
司会者:「現状の株価、時価総額をどのように上げていくのか、段社長の考えを教えてください」というご質問です。
段:主に2つの対策を考えています。1つ目は、自社の売上・利益を回復させるため、中国市場での売上を確保し、利益率を回復させます。
加えて、日本の売上も強化してまいります。日本国内において中国で培ったノウハウを使ってSNSを運用し、効率よく売上を作っていく手法を構築しています。
日本の売上と利益が改善されれば、当社事業全体の利益率が改善されるため、日本市場の取り込みは重要な1つの対策と考えています。
2つ目ですが、M&Aなども積極的に考えています。当面、この2つが短期間で効果が出る対策だと思っています。
長期的には、深圳の子会社が軌道に乗ればそこでECの運営を一元化させることで、米国、東南アジアにおける売上拡大への寄与が期待でき、ひいては企業価値向上に繋がると考えております。
質疑応答:8月から11月にかけての中国EC市場での変動要因について
司会者:「市場データによると、中国EC市場は10月に大きく伸びましたが、11月はその反動から大きく減ったと思われます。アクシージアでの中国売上の傾向について、8月、9月、10月、11月と、順にご説明をお願いします」というご質問です。
段:11月はまだ発表できない数字ですので、ここでは控えますが、今年の動向に関して言えるのは、全体的な不景気の中で、各社が「W11」に過度に期待していました。「W11」自体の期間は昨年より10日間ほど伸びましたが、延長分を除けば、売上はそれほど良くはありませんでした。当社も他社と同様、苦戦を強いられることとなりました。
質疑応答:エムアンドディ社の損益改善状況について
司会者:「エムアンドディ社の損益改善状況はいかがでしょうか?」というご質問です。
段:エムアンドディ社に関しては、AVC社を通じて、売上拡大に取り組んできました。月次売上はおよそ2億円程度です。利益率改善のために2万ほどあったSKUを減らしてきており、現在は1万SKU程度です。
まずは単月500万円程度の営業利益計上を目標に取り組んでおります。その後5パーセント程度の営業利益率を目指し、最終的には8パーセント程度の営業利益率を目指せたらよいかと思っています。
同時に、エムアンドディ社の事業の強みは香水の販売であり、現在は卸先のディスカウントストアにおいて数百のリアル店舗で香水を展開しています。今後は自社の香水ブランドを導入し、企画、販売することを検討しており、そこで売上を確保することができれば利益率も高水準で確保できると期待しています。
質疑応答:国内におけるグループ戦略について
司会者:「国内子会社として、ユイット・ラボラトリーズ社、エムアンドディ社、AVC社、アクシージアテクノロジー社がありますが、国内の売上拡大と営業利益率向上へは、グループとしてのシナジーが必要だと考えます。国内におけるグループ戦略を段社長はどのように考えていらっしゃいますか?」というご質問です。
段:国内のAVC社に関しては、アクシージアテクノロジー社、エムアンドディ社などの商品のSNS販売促進、販売プロモーションができる会社と考えています。したがって、それに向けて今、ノウハウを蓄積した人員を集めており、すでにエムアンドディ社の売上には貢献しています。
アクシージアテクノロジー社のヘアアイロンの販売も、AVC社が全面的に支援しており、グループ会社の中の販売支援会社という位置づけになっています。アクシージアテクノロジー社に関しては、ヘアアイロンを中心に、美容家電関係の会社として育てていきたいと考えています。化粧品と美容家電では、同じ女性をきれいにするものであっても、少し分野が違うため、それぞれのブランドイメージ醸成を図るために、あえて2つの会社にしています。
美容家電関係市場に関して、かなり大きな市場がありますので、進め方次第で、今後期待できる分野になると思っています。
ユイット・ラボラトリーズ社に関しては、自社で工場を持つことの強みを、かなり感じています。特に新商品開発をいち早くできる上、コスト対策面でもメリットが出せます。今までは香水の開発も、他社OEM企業に頼むと高くなり、なかなか手が出せなかった分野だったのですが、自社の工場を持つことによって、一気にコストを抑えることができました。
ユイット・ラボラトリーズ社の場合は、アクシージアの売上を復調させれば自然に黒字になると見ていますので、利益に関してはあまり心配しておりません。
質疑応答:「エッセンスシート」について
司会者:「『エッセンスシート』の売上が落ちていますが、今後テコ入れなどの対策があれば教えていただけないでしょうか?」というご質問です。
段:「エッセンスシート」は、2016年からの長寿の製品であり、商品自体の寿命がかなり長いため、昨年の処理水問題で、一時期売上は落ちていました。しかしながらここ数ヶ月で徐々にシェアは回復しつつある状況です。エッセンスシートの売上を維持しながら、今後は新しい商品を開拓していきたいと思っています。
ブランドは異なりますが、前期末に「AGTHEORY」から複数新商品を上市しましたが、その中の「パーフェクトジェルマスク」という商品が現在好調です。今後「AGTHEORY」の化粧品部分も注力して育てていきたいと考えています。
質疑応答:「AGドリンク」における今後のテコ入れについて
司会者:「『AGドリンク』について、第1四半期は低調に見えますが、今後に向けたテコ入れなどの対策があれば教えてください」というご質問です。
段:「AGTHEORY」に関して、昨年は売上が低迷した時期があり、その時に戦略を変更しました。前期はKOLに依頼して売上を確保する方針を取り、多くのKOLに高い手数料を支払いながら一定の売上を達成しましたが、利益率が悪化する時期がありました。
今後は自社企画のライブ販売も増やしていきます。自社企画のライブ販売が成功すれば、売上のみならず利益の確保もできるようになると考えています。今後半年から1年ほどかけて、その調整を進めていきます。
質疑応答:第1四半期売上の評価と通期見通し達成の可能性について
司会者:「第1四半期の売上が30億8,000万円となっていますが、この進捗率では通期売上見通しである154億2,000万円の確保は難しいように見えます。会社として、次の3点について教えてください。1点目が、第1四半期の売上についてどのように評価しているのか、2点目が、通期見通しは達成可能かどうか、現時点での意見を教えてください」というご質問です。
段:第1四半期に関しては、確かに苦戦していた時期がありました。過去は8月から好調なスタートを切ることができていましたが、今期は8月の時点から苦戦しており、結果的に達成率は82パーセントとなりました。
ただし、現時点で通期の目標達成について判断するのは早いと思います。現在売上回復のための対策を打っている状況であるため、当社としましては、予算達成に向けて邁進してまいります。
質疑応答:国内マーケットにおける新製品の導入と拡販戦略について
司会者:「日本国内マーケットにおける美容家電、化粧品、インナーケア製品の新製品開発について、導入と拡販戦略を教えてください」というご質問です。
段:日本国内では、美容家電として「メイトフォーアイズ」という美顔器があり、月間で800台ほど売れています。現在、ここから月間3,000台、さらには5,000台の販売を目指し、そのための計画立案を進めています。ヘアアイロンに関しては、新しい分野ですが順調にスタートしています。
化粧品に関しては、既存製品は中国向けの高額製品がメインとなっているという点がネックになっていますので、来年を目途に日本市場向けの商品開発として、価格帯を3,000円から4,000円に設定することで、ネット販売でもよく売れる、お客さまにとっても手軽に購入できる商品を目指しています。この価格帯の商品が日本国内で成功すれば、中国、アメリカ、東南アジア市場への展開も可能になると思います。
販売方法に関しては、まずSNSを活用したマーケティングを基盤にしています。ECでの販売が成功すれば、実店舗にも商品が入りやすくなります。当社は現在、百貨店等に直営店を5店舗構えることができております。
ネットでの宣伝を活用してリアル店舗で販売し、さらに卸も展開していくことが、日本での今後の戦略、展開方法になると考えています。
質疑応答:広告宣伝費について
司会者:「広告宣伝費はどの程度の規模の増加を予定していますか?」というご質問です。
段:グループ全体では売上高広告宣伝費率は27パーセント程度になっていますが、アクシージア単体ではもう少し高い数字となり、30パーセント程度になると考えています。
質疑応答:「AGTHEORY」化粧品の売上拡大に向けた販売戦略について
司会者:「『AGTHEORY』の化粧品の売上拡大について、販売戦略を教えてください」というご質問です。
段:「AGTHEORY」に関しては、主に中国市場をターゲットとしています。価格帯としては高価格帯の商品が中心で、アクシージアが中国市場で獲得したブランドイメージとポジションにも合っているため、中国で積極的に展開しています。
販売方法としては、これまで通りKOLの活用と自社のライブコマースを中心としています。広告予算について、これまでエッセンスシートや「AGドリンク」に特化していた予算を一部分分けるかたちで広告投下していきたいと思います。
質疑応答:コスト削減と必要投資に関する方針について
司会者:「コストを削ることで会社の利益見通しに近づけるという考え方でしょうか? それとも、必要なコストは投資するという考え方でしょうか? 方針を教えてください」というご質問です。
段:原価は低減していきたいと考えています。製造の内製化によって原価は大きく変わりますし、自社開発を行うことでコントロールもしやすくなると考えています。
質疑応答:自社株買い消却に関する狙いについて
司会者:「自社株買い、消却のリリースがありましたが、その狙いについてご説明いただけますか?」というご質問です。
段:今回は機関投資家より売却の要望があり、株式市場への需給への影響等を勘案し、当社が株式を買い取ることとしました。プライム市場の上場基準の1つに流通株式比率がありますが、消却することにより流通株式比率も高まりますため、これも1つの狙いとなります。
質疑応答:中国国内マーケットにおけるインナーケアプロダクトのポジショニングと価格帯について
司会者:「育成ブランドについて、今回のスライドでご説明されていますが、中国国内マーケットにおけるインナーケアプロダクトのポジショニングや価格帯について、ご説明をお願いします」というご質問です。
段:中国では、日本のインナーケア商品に対する人気が非常に高い傾向があります。日本のインナーケア製品はおいしく、効果も実感しやすいです。
化粧品については世界中のブランドが中国市場に参入しており、競争が非常に激しいことに加え、中国現地のメーカーも成長しており、競争は一層激しくなっています。
一方、インナーケアに関しては、それほど厳しい状況ではありません。特に当社はある特定の分野で非常に良いポジションを維持していますため、今後もその強みを活かしながら、インナーケアの販売を伸ばしていきたいと思います。
ただし、「AGドリンク」は非常に高価格帯の化粧品で、約3万円程度の価格です。今は1万円前後の製品を開発しています。手の届きやすい価格帯の製品を上市することで、購買層がさらに増加し、より売上を拡大させやすいと考えています。
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